「絶滅」の貝生息確認 東京湾北部でイボキサゴ 「環境改善している兆し」

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

東京湾北部でほぼ半世紀ぶりに生息が確認されたイボキサゴ(市川市側の三番瀬内で)
東京湾北部でほぼ半世紀ぶりに生息が確認されたイボキサゴ(市川市側の三番瀬内で)

 埋め立てや水質悪化で東京湾北部では一度絶滅したとされた小型の巻き貝・イボキサゴの生息が今春、船橋、市川、浦安、習志野市沖合に広がる干潟「三番瀬」で確認された。調査に当たった市民団体「三番瀬フォーラム」(清積庸介事務局長)は、「東京湾の環境が改善している兆し」と歓迎している。

 イボキサゴは直径2センチほどの貝で、縄文時代は食用として採取されていた。貝殻は縄文人の装飾品にもなり、国の特別史跡の加曽利貝塚(千葉市)でも数多く出土している。

 しかし、東京湾北部では1970年代頃に絶滅したとされ、東京湾全体でも、一時はほとんど姿を見ることが出来なくなった。その後、95年に湾中央部の木更津市沖で生息が確認されていた。

 さらに今年2月、三番瀬フォーラムのメンバーが市川市側にある干潟でイボキサゴを目撃。4月に県立中央博物館の研究員ら専門家を招いて合同調査を実施した結果、同海域での生息を正式に確認した。

 調査した干潟でイボキサゴは数十センチ間隔で高密度に生息している。元々、他の場所にいたものが、海流に乗って三番瀬にたどり着いて定着したらしい。幼貝も含まれており、同海域で繁殖が行われていることも確認された。約3キロ離れた浅瀬にも生息域を拡大していた。

 イボキサゴはプランクトンを食べて成長するため、生活排水などが流れ込む東京湾の水質を浄化する。ワタリガニなどカニの餌でもあり、カニの増加など食物連鎖の面でも期待できるという。

 清積事務局長は「干潟の海水が周辺より透明なのは、そこに生息している多様な生物がプランクトンを食べて浄化しているためだ。イボキサゴの復活は浄化作用を一層高める。これを機に、(多様な生物を育て、水質を浄化させる)三番瀬に関心を持つ人が増えてくれればうれしい」と話している。

無断転載禁止
591251 0 ニュース 2019/05/20 05:00:00 2019/05/20 05:00:00 2019/05/20 05:00:00 東京湾北部でほぼ半世紀ぶりに生息が確認されたイボキサゴ(市川市側の三番瀬内で)=長原敏夫撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/05/20190519-OYTNI50055-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ