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トヨタアフリカ市場攻勢 ガーナ新工場■HV生産

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年間販売7割増30万台目標

 トヨタ自動車がアフリカ市場の攻略を加速させている。資本提携するスズキからOEM(相手先ブランドで生産)供給を受けた小型車の車種を増やし、アフリカ全体で、当面の新車販売目標を年間30万台に設定。2020年の17万4000台から約7割増やす計画だ。(佐野寛貴)

◆スターレット好調

 トヨタからアフリカでの営業部門を全面移管されている豊田通商は昨年9月、スズキからのOEM車として、「スターレット」(スズキ名=バレーノ)、今年3月に「アーバンクルーザー」(ビターラブレッツァ)をアフリカで発売した。スターレットは、約130万円と手頃な価格設定が人気を呼び、年間目標1万台に対し、6月時点で8800台と順調に推移している。

 21年中には、さらにセダンとミニバンを追加する。計4車種で年5万台を目標に掲げ、競合する独フォルクスワーゲン(VW)や韓国・現代(ヒュンダイ)に対抗し、市場開拓の切り札にしたい考えだ。

 悪路が多いアフリカでは、これまで「ランドクルーザー」「ハイラックス」といった大型車が主流で、現在も販売台数の約7割を占めている。価格も高額で政府機関や企業が主な顧客だった。近年は経済成長に伴い、アフリカでも、家族向けなどに小型車の需要拡大が見込まれている。

 豊通の今井斗志光アフリカ本部COO(最高執行責任者)は、オンラインでの取材に対し、「インドの悪路で鍛えられたスズキの車は、アフリカにフィットする」と話す。

◆日本企業初

豊田通商がガーナに設立した工場の生産ライン(同社提供)
豊田通商がガーナに設立した工場の生産ライン(同社提供)

 生産体制も強化している。

 西アフリカのガーナに新工場を設立し、6月から稼働を始めた。豊通がアフリカで車両生産拠点を置くのは、ケニア、エジプトなどに続いて5か国目。ガーナに車の生産拠点を持つのは日本企業では初めてだという。

 新工場は、首都アクラから約30キロ離れたテマ市に建設された。昨年10月に現地政府からの事業認可を取得し、700万ドル(約7億円)を投資。車両組み立て開始式にはナナ・アクフォアド大統領も出席した。当面、部品は全て輸入するが、徐々に現地化を進めていく。現地法人が約50人を雇用し、まずはボルトを締めるなどの簡単な工程に従事する。

 現地では、公用車などに使われる「ハイラックス」の組み立て作業が始まっており、年間生産台数は1300台を見込んでいる。22年にはスズキの小型車「スイフト」の組み立てにも着手する計画だ。

◆カローラクロス生産

 今後はハイブリッド車(HV)の普及にも力を入れる。今年中にカローラのSUV(スポーツ用多目的車)タイプ「カローラクロス」のHVを、南アフリカの工場で現地生産する計画だ。アフリカでのHV生産は初めてとなる。

 普及には中古車も活用する。新車需要が高まるアフリカだが、20年の中古車市場は年約400万台で、新車の97万台の4倍の大きさがある。豊通は20年、アフリカ(計54か国)20か国で展開する認定中古車ブランド「オートマーク」で計4万5000台を販売した。今後は、HVの中古車販売を増やしていく。

 電気自動車や燃料電池車などの環境車は、充電設備や水素ステーションといったインフラ整備が不可欠だ。今井COOは「(インフラを)アフリカ全土で整備するのは現実的ではない。現実的な解決策がHVであり、アフリカ全域に入れていく」と強調。得意のHVで存在感を高めるとともに、アフリカの脱炭素化に貢献したい考えだ。

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2222588 0 東海けいざい・断面 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210720-OYTAI50017-T.jpg?type=thumbnail

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