駆動系「イーアクスル」

他業種参入、勢力に変化 EV中核部品各社注力

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 電気自動車(EV)向けの駆動系部品「eAxle(イーアクスル)」の開発、量産にメーカー各社が力を入れている。イーアクスルはEVの心臓部とされ、電力効率や走行性能などを大きく左右する。国内外の大手自動車部品メーカーに加え、他業種の参入も相次いでおり、業界の勢力図が変わる可能性がある。(藤井竜太郎)

■最重点領域 「(EV用のイーアクスルを)最重点領域とし、さらなる開発に向けてリソースを集中させていく」

 アイシンの吉田守孝社長は強調する。2022年度からの向こう2年間で、全技術者の過半数を電動化対応に振り向け、開発体制を強化する計画だ。

 現在の主力製品であるガソリン車向けの自動変速機(AT)が、自動車市場のEV移行に伴い、先細りする恐れがあるからだ。

 アイシンは、トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「ミライ」などに搭載されている初代を20年に開発した。さらに高効率化、小型化、低コスト化を進め、25年には小型車、中型車、大型車向けにそれぞれ対応する第2世代、27年には第3世代を量産するなど開発を加速する。日本では近いうちに新たな生産ラインも作る。

 アイシンはイーアクスルの改良などにより、EV「電費」の1割以上向上を目指している。

■グループで強化 イーアクスルは、車載電池と並ぶ、EVの基本性能を左右する中核部品だ。ガソリン車のエンジンにあたるとされ、加速性や航続距離などが変わる。モーターとギアなどが一体となっていることで、EVの軽量化や省スペース化などにつながっている。

 このため、トヨタはグループをあげて開発体制の強化を進めている。20年には、デンソーとアイシンが共同で設立した、イーアクスルの開発・販売会社「ブルーイーネクサス」に出資した。同社はイーアクスルの仕様や性能について、完成車と部品メーカーとの調整などを担っている。

 トヨタは、初の量産型EVで近く世界でデビューする「bZ4X」にも、新たに開発されたイーアクスルを搭載する。

 愛知製鋼も今年2月、イーアクスルの試作品を発表した。東北大学と連携協定を結び、高回転かつ小型化を可能にする技術や素材の開発を目指している。藤岡高広社長は「まだまだ開発途上だが、部品については(愛知製鋼の)ノウハウがたまったものがいっぱいある」と手応えを語っている。

■競争過熱 調査会社の富士経済によると、イーアクスルを搭載したEVやハイブリッド車(HV)などの電動車の台数は、19年の約23万台から35年には54倍の約1250万台まで増えると予測している。この需要を取り込もうと、各社の開発競争は激しさを増しつつある。

 日産自動車の子会社で変速機を製造するジヤトコは、量産に向けた研究開発を進めている。日立製作所とホンダ傘下の自動車部品メーカーが経営統合して昨年1月に発足した日立アステモも開発を検討している。

 独ボッシュなど海外のメガサプライヤーも量産に本腰を入れている。

 他業種も参入している。日本電産は、モーターの加工技術を生かし、他社に先駆けて19年に供給を始めた。日本よりEVの普及が進んでいる中国の自動車メーカーの10車種がすでに搭載している。今年半ばに稼働するセルビアの工場は、世界で6か所目の生産拠点となる予定だ。三菱電機も昨年11月、他社との協業による参入を発表し、近い将来の量産化を目指す。

eAxle(イーアクスル)  モーター、ギアボックス、電気の出力を調整するインバーターが一体となったユニット型の駆動部品。主要部品をまとめることで、完成車メーカーは開発や組み立ての手間が省け、EVの軽量化や、コスト削減にもつながるとされている。

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