バイオ燃料広がる 飲食業廃油再利用 生産・配送脱炭素へ

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使い終わった天ぷら油を回収する従業員(名古屋市守山区のサガミ志段味店で)=中根新太郎撮影
使い終わった天ぷら油を回収する従業員(名古屋市守山区のサガミ志段味店で)=中根新太郎撮影

 調理過程で出た廃油や食材の余りをバイオ燃料として再利用する取り組みが、飲食チェーンや食品メーカーなどの間で広がっている。余剰食材の有効活用とともに、生産・配送の脱炭素化を達成する技術として注目が高まっている。(佐野寛貴)

 和食チェーンのサガミホールディングス(HD、名古屋市守山区)は、各店舗で天ぷらを揚げる時に出た廃油をバイオディーゼル燃料に精製し、食材を運ぶトラックの燃料に使う取り組みを始めた。

 バイオ燃料の製造販売を手がける京都市の業者の協力をあおぎ、地元運送業者の協力も得て、京都府と大阪府内の計10店舗でスタートした。

 使われるのはバイオ燃料を5%混ぜた軽油で、一般的なトラックにそのまま使える。最初は軽油にさらに薄めて使い、エンジンや燃費への影響を確認しながら、徐々に比率を上げる計画だ。

 サガミHDは全国に約250店を展開し、年間350トンの廃油を回収業者に出している。配送網全体にバイオ燃料が導入された場合、月間で3・8トンの二酸化炭素(CO2)削減効果が期待できると試算する。

 事業を担当する子会社サガミマネジメントサポートの榑林功真次長は、「社会全体で利用が広がれば、給油地点も増え、より大幅なCO2削減につながる」と期待する。

近畿大学が北海道に設置しているバイオコークスの製造装置(近畿大学提供)
近畿大学が北海道に設置しているバイオコークスの製造装置(近畿大学提供)

 敷島製パン(名古屋市東区)も今年から、製造工程で出たパンの耳やパンくずなどを原料に、近畿大学(大阪府)が開発した次世代固形燃料「バイオコークス」の製造実験に乗り出す。

 パンを発酵させたり、蒸したりする際に使うボイラーのガス燃料と置き換え可能かを検討する。同社が排出するパンくずなどの量は年間約3万トンにのぼる。「資源循環を目指して自社工場で使う」とコメントしている。

■ バイオ燃料の導入は全国的に進んでいる。

 コンビニ大手ファミリーマートも、佐賀市内の6店舗で「ファミチキ」を揚げた食用油を回収し、同市を走るバスやゴミ収集車などの燃料として再利用する取り組みを進めている。

 日清オイリオグループも、同社の商品開発や改良の過程で出た使用済み食用油を再利用し、社内に常駐する防災用消防車に給油している。廃棄物処理サービスを担う東京クリアセンター(東京)も昨年、都内などを走行する食品廃棄物収集車にバイオ燃料を使用しはじめた。グループ会社が回収した生ゴミを飼料にする過程で使う食用油を再利用する。

 両社にバイオ燃料を供給するユーグレナ(東京)は、「月を追うごとに導入や問い合わせが増えている状況」(広報)という。

CO2削減への選択肢

 脱炭素化への関心が高まる中、バイオ燃料は選択肢の一つとして急浮上している。従来の内燃機関を使いながら新たな二酸化炭素(CO2)排出量を削減できるため、導入を模索するメーカーや運輸事業者が相次いでいる。

 JR東海は先月、新型特急車両「HC85系」にバイオ燃料を給油し、試験走行を実施した。金子慎社長は蓄電池や水素燃料といった代替の選択肢に言及しつつも、バイオ燃料の利点について「エンジンを大きく改変することなく測定や性能が確認でき、取り組みやすい」と話した。マツダはユーグレナと共同で、ミドリムシや廃食油を原料とする次世代バイオ燃料の開発を進めている。

 矢野経済研究所は、バイオ燃料を含む「バイオマスエネルギー」の国内市場が、2020年度の6700億円から35年度には1兆7200億円と、15年間で2倍以上に伸びると予想している。

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