ラリーで車好き拡大へ トヨタ市販車開発に活用 宮城で豊田社長出場/

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タイムトライアルに挑戦するトヨタ自動車の豊田章男社長(15日、宮城県利府町で)=山本貴徳撮影
タイムトライアルに挑戦するトヨタ自動車の豊田章男社長(15日、宮城県利府町で)=山本貴徳撮影

 トヨタ自動車のモータースポーツ部門「ガズーレーシング」は、初心者向けラリー大会「ラリーチャレンジ」を初めて宮城県で開催した。モータースポーツを通じ、「クルマ好き」のすそ野を広げる活動の一環で、欧米のような自動車文化を根付かせていく狙いがある。(山本貴徳)

■2000人

 宮城県利府町で15日に開かれた大会には、全国からラリーファンの42台が参加し、市販車を改造したラリーカーが一般道や林道などの計80キロ・メートルを走り抜けた。観戦スポットには、約2000人が応援に駆けつけた。

 ラリーチャレンジは全国12か所で行われており、今回が3戦目。競技区間のタイムを競う。愛称の「モリゾウ」として出場したトヨタの豊田章男社長は「GRヤリス」のハンドルを握り、総合3位の好成績を収めた。

ラリー大会でスタート前にあいさつする豊田社長
ラリー大会でスタート前にあいさつする豊田社長

 ラリー終了後、記者団に「沿道も人が多くて、町が心ひとつになっているのを感じた」と笑顔を見せた。豊田社長は、利府町で開かれた14日のイベントでも、ラリーカーのハンドルを握り、ドリフト走行などを披露した。

■車文化

 トヨタはモータースポーツを通じ、掲げている「もっといいクルマづくり」の実現を目指してきた。いわば「草レース」にも力を入れるのは、若者の「クルマ離れ」が課題の国内で、車の魅力を知るきっかけとしてもらう狙いがある。

 モータースポーツが盛んな欧米では、地域が一体となって大会を盛り上げる。誰もが楽しめる「お祭り」のようになっており、新たなクルマ好きを生み出す「土壌」となっている。

 豊田社長は「(かつてのトヨタは)経済が悪くなると世界ラリー選手権(WRC)やF1を撤退したりした。経済や(販売増につなげる)マーケティングの目的だけでやっている限りは文化にはならない。どんな時代でも、モータースポーツを起点にした、もっといいクルマづくりがあって、はじめて文化的な活動に入れる」と述べた。

■GR

 過酷な環境のラリーやレースから得た技能や経験、課題は、市販車の開発にも生かされる。トヨタのスポーツカーブランド「GR」が代表例で、「走り」に徹底的にこだわることで、走って、乗って、楽しいクルマを目指している。

 トヨタが初心者向けからWRCまで多くのカテゴリーに参戦しているのは、セダンや小型車、スポーツ用多目的車(SUV)などのフルラインアップのメーカーだからだ。モータースポーツも担当する佐藤恒治執行役員は「WRCなどは、クルマの限界性能を引き上げることにつながる。それだけでなく、誰でも安心・安全で楽しく乗れる車をつくるため、幅広く情報を集めている。(参戦している)全部が大事だ」と説明する。

 モータースポーツは、ブランド力の向上も期待できる。ラリーに使われた車両の性能の高さを証明することで、人気が高まることが多い。一方、モータースポーツ界にも脱炭素化は広がっており、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)を使ったレースが行われている。トヨタは耐久レースに、開発中の水素エンジンを搭載した車で参加している。

世界最高峰の大会で好成績

 トヨタ自動車は、モータースポーツの世界最高峰の大会で好成績をあげている。

 世界ラリー選手権(WRC)は2018年シーズンに製造者(マニュファクチャラーズ)部門で優勝した。世界耐久選手権(WEC)では、世界三大レースの一つである「ルマン24時間」で18~21年に4連覇を果たした。

 トヨタのモータースポーツ活動は、1957年にオーストラリアで行われたラリーに、トヨペット・クラウンで参戦したのが始まりだ。それ以来、WRCなどで技術力の高さを示してきた。2002~09年にはF1にも出場していた。

 00年には、国内のモータースポーツの基盤を維持するため、老朽化した富士スピードウェイ(静岡県小山町)を買収し、改修した。周辺を含めて「富士モータースポーツフォレスト」として一体的に開発する計画で、ホテルや博物館を22年秋に開業させるほか、温浴施設やレストランなども整備していく。

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