就活本格化…企業・学生「素顔」探る

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

対面再開■適性データ分析

 来春卒業予定の大学生らに対する企業の採用選考が1日解禁され、東海地方でも就活が本格化した。コロナ禍でオンライン選考が定着した一方で、対面のイベントの再開や、周囲からの評価を集めて「他己分析」としてデータ化できるアプリの登場など、企業と学生のつながり方にも変化が見られる。(佐野寛貴)

■苦心

社長と学生が対面で語り合った「リクルートオーディション」(プレシャスパートナーズ提供)
社長と学生が対面で語り合った「リクルートオーディション」(プレシャスパートナーズ提供)

 名古屋市内で5月下旬に開かれた就活イベント「リクルートオーディション」では、中小企業や新興企業の経営者3人が登壇して仕事の魅力などを語り、学生たちと会社でのキャリアや働き方などについて意見交換した。お互いに「一緒に働きたい」と思えば、後日、食事会や選考に進む形式だ。

 コロナ下では対面の機会が限られ、学生は仕事の内容を、企業は学生の人柄を把握するのに苦心してきた。参加した物流会社「二葉物産」(名古屋市)の伊藤礼子社長は「学生の素に近い姿が見られた」と語る。名城大4年の男子学生(21)は「学生も安心して就職先を選べる仕組みだと思う」と述べた。

 イベントはこれまで東京などで開かれており、対面、少人数でのやりとりが「マッチング」につながりやすいと好評だった。名古屋では昨年から始めたという。

 一方、オンラインにもメリットがあるとして、対面との「ハイブリッド型」を採用する企業もある。百貨店のジェイアール東海高島屋(同)は、感染状況が落ち着き、行動制限が緩和される中でも、対面とオンラインを併用している。担当者は「遠方の学生も面接を受けやすく、幅広い人材と接点が持てる」と利点を説明する。

■「他己分析」

学生が、周囲の人々からの評価を集計できるアプリ「ミツケテ」
学生が、周囲の人々からの評価を集計できるアプリ「ミツケテ」

 データの活用は就活でも存在感を増しており、学生が自身に合った仕事を見つけるのを手助けするサービスも登場している。

 人材サービス「イーバリュー」(同)のアプリ「ミツケテ」は、友人やアルバイト先の上司などに協力してもらう「他己分析」が特徴。周囲の人々にURLを送り、強みや考え方の特徴などに関する十数の設問に答えてもらう。回答は円グラフなどで集計され、本人が確認できる仕組みだ。

 2024年卒の学生向けには、データを見て関心をもった企業からの「スカウト」が届くサービスも予定する。担当者は「学生本人が気付いていない適性をデータから見いだし、これまで接点のなかった企業との出会いにつながる」と話す。

■「半数近く内定」

 就職支援会社「名大社」(同)の西田知佳・人材紹介事業部長は、「コロナ禍でも企業は積極的に新卒を採用する姿勢を維持しており、学生が有利な『売り手市場』の状況は続いている」と指摘する。

 就活の早期化も進んでいる。選考解禁日の6月1日で、すでに3分の2の学生が内定を得ているという調査結果もある。地元志向の強い東海地方では、関東・関西ほど採用の早期化は進んでいないが、それでも半数近くの学生が内定を持っているとみられる。

 一方、基幹産業の製造業では、採用に苦戦する中小企業が目立ち始めているという。西田部長は「オンラインの説明会では、工場や技術、製品などの魅力を伝えきれず、効率的に企業を知りたいと考える学生との間に、ギャップが生じているようだ」と指摘。「採用早期化の風潮が強まる中、大手の内定を得られず、目線を変えた学生をキャッチできるかどうかが大事だ。無理についていかずに、あえて選考時期を遅らせる戦略も有効だ」としている。

高校生就活「選択」の兆し

高校生向けに企業が仕事を紹介した「おしごとフェア」(名古屋市中村区で)
高校生向けに企業が仕事を紹介した「おしごとフェア」(名古屋市中村区で)

 高校生の就活でも、新しい取り組みが始まった。名古屋市中村区の「ウインクあいち」で8日、企業が高校生に仕事の内容を説明したり、高校生から就職の相談を受けたりするイベント「おしごとフェア」が初開催された。

 高校生向けの就職支援を行っている「ジンジブ」(大阪市)が主催。名古屋市内の企業を中心に14社が参加し、高校生たちに仕事道具を手に取ってもらったり、クイズ形式で業務を紹介したりした。同市立工業高校の定時制に通う男子生徒(18)は「就職について考えるきっかけになり、興味のある会社も見つかった」と話した。

 高校生の就活は、学校に届く求人票の中から応募するのが一般的。自身のキャリアや、仕事の種類の幅広さなどへの理解が不十分なまま就職することが多く、大卒者よりも高い離職率が課題となっている。

 出展した「名古屋ボデー」(名古屋市)の近藤匠社長は「求人の意味合いももちろんあるが、仕事にたくさんの選択肢があることを高校生たちに知ってほしい」と話した。ジンジブは7月にも、求人企業による合同説明会を予定している。

スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
3082478 0 東海けいざい・断面 2022/06/15 05:00:00 2022/06/15 05:00:00 2022/06/15 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/06/20220614-OYTAI50011-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)