211系0代 快走35年

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

ダイヤ改正で姿を消した旧国鉄の211系0代(2月、JR名古屋駅で)=中根新太郎撮影
ダイヤ改正で姿を消した旧国鉄の211系0代(2月、JR名古屋駅で)=中根新太郎撮影

 旧国鉄時代の1986年に導入され、名古屋を中心に東海道線、中央線、関西線で長らく運行されてきた通勤型電車「211系0代」8両が6日、引退し、35年余りの歴史に幕を下ろした。JR東海が旧国鉄から継承した車両の中で最後まで残っていた車両だ。

 1979年に中部読売新聞社(現読売新聞中部支社)に入社して以降の写真記者人生は、この車両が走り抜けた昭和から令和までの年月とほぼ重なる。

 事件や事故の現場に駆けつける時は、社有車などで高速道路を急ぐケースが多いが、時間に余裕のある取材は大好きな鉄道を使う。最も古い0代は車窓からの景色とともに、叱られたり褒められたりした様々な撮影人生の思い出を連れてくる特別な存在だった。

 0代は国鉄の分割民営化直前、東海道線の豊橋―岐阜間で、ライバルの名古屋鉄道に対抗し、利便性の高いダイヤにするためデビューした。それまでは「湘南色」と言われるオレンジと緑に塗り分けられた近郊形の113系が中心だったが、初めて見た211系は、ステンレスの銀色の車体がまぶしく輝き、都会的でスマート。時代が変わる印象を強く受けた。

 車内は、ドア付近が窓と並行のロングシートで、中間は2人がけのクロスシート。座席はおしゃれなワイン色で乗り心地も快適だった。窓下には灰皿も設置され、車内には今では考えられないことに、たばこの煙が立ちこめていた。

 デビュー当時、岐阜や岡崎、豊橋などでの取材でこの車両に乗り合わせると、少しトクした気分になったものだ。

報道公開された新型通勤電車「315系」(昨年12月、愛知県春日井市で)=内田郁恵撮影
報道公開された新型通勤電車「315系」(昨年12月、愛知県春日井市で)=内田郁恵撮影

 今月5日、JR東海は新たな通勤型電車「315系」を中央線に投入した。それにより、0代が役目を終えることになった。JR東海によると、最後の0代は売却、譲渡はなく、すべて廃車となる。

 先月下旬の夕方、関西線の名古屋―桑名間で引退する0代に往復乗車した。沿線では電車に向けてカメラを構えるファンの姿もあった。スマートな車体の割にごつい印象の運転席、小窓が付いた和式トイレ、うなるモーター音。長らく親しんだ車両に揺られ、ひとり別れを告げた。(中根新太郎)

スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
2829352 0 東海けいざい・現場をみる 2022/03/12 05:00:00 2022/03/12 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/03/20220311-OYTAI50019-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)