風雪半世紀 速道支え

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クレーンで撤去される古い床版(愛知県弥富市の東名阪道で)=青木久雄撮影
クレーンで撤去される古い床版(愛知県弥富市の東名阪道で)=青木久雄撮影

 重さ約7トンもの鉄筋コンクリートの板がゆっくりとつり上げられていく。高速道路の高架を路面下から支える「 床版しょうばん 」と呼ばれる部材だ。古くなった床版の無数のヒビが、半世紀にわたり大小の車両を支え続けた重圧を感じさせた。

 中日本高速道路は、東名阪自動車道「弥富高架橋」(愛知県弥富市)の更新工事の模様を報道陣に公開した。蟹江インターチェンジ(IC)―長島IC間の約1・6キロ部分で、高さ約10メートルの橋脚に支えられた道路をまるまる取り換える、国内でも前例のない工事だ。

 橋脚上で幅2メートルごとに古い床版をカットし、クレーンで地上で待つトラックの荷台に下ろす。新しい床版も同様につり上げて運び入れる。この作業をそれぞれ約1600回ずつ繰り返す。

 現場は交通量が多い名古屋市近郊で、1日に片道2万5000台が通行する。このため、「渋滞を防ぐための新しい工法」(桑名保全・サービスセンターの福島邦夫所長)を導入。地上の側道も作業に活用することにした。

更新工事では、渋滞防止のため、地上の側道が活用されている(愛知県弥富市で)
更新工事では、渋滞防止のため、地上の側道が活用されている(愛知県弥富市で)

 地上から垂直に資材を搬出入することで工事車両が高速道路を塞ぐ回数も減る。実際、工夫の効果で、工事現場の柵1枚隔てた車線を乗用車やトラックが次々と駆け抜けていた。

 渋滞のほか、事故のリスクも抑えられる。工期も3分の2に短縮できるという。

 1975年に開通した同区間は、床版がたわんで舗装がめくれ、路面には直径数十センチのくぼみが多数生じるなど経年劣化が進んでいた。

 中日本高速の管内では、開通から30年超の道路が6割を占める。今回の現場も、2023年12月に更新を終えたら別の区間に着手する。

 昭和の高度成長期に建設され、老朽化が進むインフラの維持に知恵と工夫が求められる時代になった。福島所長は「新しい工法なので、伸びしろがある。さらなる工期の短縮に努めたい」と語る。(佐野寛貴)

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