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丹精こめて愛ひとつぶ 愛知県産米 暑さに強く厳選交配

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特A 日本穀物検定協会が毎年発表している米の食味ランキングで、5段階のうちの最高ランク。炊いた白飯を試食して、評価する。複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米として、それより特に良好なものを特Aとする。昨年産のランキングでは154銘柄のうち53銘柄が特A。 愛知県の新ブランド米愛ひとつぶ(愛知県安城市で) 愛ひとつぶの収穫風景(愛知県西尾市奥田町で)=愛知県提供
特A 日本穀物検定協会が毎年発表している米の食味ランキングで、5段階のうちの最高ランク。炊いた白飯を試食して、評価する。複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米として、それより特に良好なものを特Aとする。昨年産のランキングでは154銘柄のうち53銘柄が特A。 愛知県の新ブランド米愛ひとつぶ(愛知県安城市で) 愛ひとつぶの収穫風景(愛知県西尾市奥田町で)=愛知県提供

 甘みが口の中に広がる。粒は白く、つやがある。炊きたてはふっくらしているが、冷めてもおいしい。

 愛知県が初めて手がけた新品種のブランド米「愛ひとつぶ」。昨年から、一般販売を始めた。近年の名古屋の猛暑にも耐えられ、おいしさも「コシヒカリ」に負けないという。

 愛ひとつぶを栽培する同県刈谷市の「農事組合法人よさみ」の加藤彰夫さん(60)は「手間をかけて作った。これまでの試験栽培と比べても今年は甘みがしっかりあり、味は一番いい」と胸を張る。

 米のおいしさを見極める重要な基準がたんぱく質の含有量だ。少ないほど、おいしいとされる。愛ひとつぶは玄米時のたんぱく質含有量が6・4%以下。標準的な米(6・8%)よりも少ない。

 今年は県内79の生産者が計110ヘクタールで栽培した。県内のスーパーなどで販売されており、売れ行きは好調という。

◆栽培条件

特A 日本穀物検定協会が毎年発表している米の食味ランキングで、5段階のうちの最高ランク。炊いた白飯を試食して、評価する。複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米として、それより特に良好なものを特Aとする。昨年産のランキングでは154銘柄のうち53銘柄が特A。 愛知県の新ブランド米愛ひとつぶ(愛知県安城市で) 愛ひとつぶの収穫風景(愛知県西尾市奥田町で)=愛知県提供
特A 日本穀物検定協会が毎年発表している米の食味ランキングで、5段階のうちの最高ランク。炊いた白飯を試食して、評価する。複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米として、それより特に良好なものを特Aとする。昨年産のランキングでは154銘柄のうち53銘柄が特A。 愛知県の新ブランド米愛ひとつぶ(愛知県安城市で) 愛ひとつぶの収穫風景(愛知県西尾市奥田町で)=愛知県提供

 栽培条件は厳しい。原則10ヘクタール以上など、一定の要件を満たした経験豊かな生産者だけに認められる。

 土壌は 肥沃ひよく 度や窒素成分量をチェックされる。肥料は、窒素、リン酸、カリウムのバランスがとれた専用肥料を使う。

 加藤さんは「土壌は肥えすぎてもいけない。肥料は驚くほど少ない」と話す。

 よさみは水田の一部(1・6ヘクタール)で栽培した。苗は根付きがよくなく、田植えが遅れた。

 この品種は収穫適期が1、2日に限られる。遅れてしまうと米が割れる「胴割れ」を起こしてしまう。

 収穫時期をアドバイスするため、県はJAあいち経済連や名古屋大と共同開発した生育予測システム「アグリルック」を導入した。普及指導員はパソコンで、気象などのデータから、収穫適期を絞り、目視で確認したうえで、生産者に収穫日を助言したという。

 夏の長雨に悩まされたが、よさみは8月23、24日に収穫を無事終えた。たんぱく質含有量などの基準を満たした米だけが、愛ひとつぶを名乗れる。

 「全量合格ですよ」。JAあいち中央の担当者にそう知らされ、「ほっとした」という。今年の合格率は約8割だった。

◆特Aめざして

愛知県農業総合試験場では、米の品種改良に取り組んでいる(愛知県長久手市で)
愛知県農業総合試験場では、米の品種改良に取り組んでいる(愛知県長久手市で)

 愛ひとつぶは、県が2017年に登録した「愛知123号」(品種名・なつきらり)から米の最上位品質である1等米を100%使っている。

 県の主力品種であるコシヒカリは、猛暑の時期に収穫適期が重なる。玄米の白濁が目立ち、1等米合格率が低かった。

 このため、県農業総合試験場(長久手市)は04年から、暑さに強い品種開発に取り組んできた。コシヒカリの交配相手に選んだのは暑さに強い「TS―3」。南米のスリナムの米と国内種を掛け合わせたものだ。県が保管している3000種類の米の遺伝資源の中から選びだした。

 10年間も交配を繰り返してようやく誕生したのが愛知123号だ。作物研究部長の伴充晃さん(56)は「選んで選んで、残ったものを、研究室の14人全員で食味検査をする。おいしい品種と食べ比べる。これを繰り返して最終的には人間の舌で決めた」と話す。

 県産米では、あいちのかおり、コシヒカリ、ミネアサヒの3品種が主力だ。ミネアサヒは今年、日本穀物検定協会の食味ランキング(20年産米)で同県初の特Aを獲得して、話題になった。

 愛ひとつぶの集荷・流通・販売を行うJAあいち経済連・農産販売課の中村隆志課長(44)は「全員合格を目指している。愛ひとつぶでも特Aを取りたい。ぜひ、地元のおいしい米を食べていただきたい」と話している。

取材後記 作付面積の拡大に期待

 自動車関連の大企業が立地する愛知県刈谷市の一角に広大な農地が開けていた。取材した農事組合法人の加藤さんは、農家の出身だったが、農水省に勤めていた。6年前から、地元で生産者の立場になった。「農業は年ごとに違い、毎日毎日違う。モグラが出たり、土手が崩れたり、失敗ばかりで、思うようにならない。だから面白い。愛知で作っているのは車だけじゃないですよ」と語る。

 県の米の産出量は県内消費の3割程度にとどまる。他県からはブランド米などが入ってきており、「輸入県」とされている。愛知県の農業産出額は全国8位、米の生産は22位(いずれも2019年)。「愛ひとつぶ」は、県内産のまだごく一部にすぎないが、来年はさらに作付面積の拡大を目指しているそうだ。日本では米の消費の減少傾向が続いている。小さなひとつぶが大きく育ってほしい。(天野誠一)

農事組合法人よさみ  三つの営農組合が合併し、2010年に設立した。米、麦、大豆を栽培し、県内屈指の大規模経営をしている。役員、従業員など計12人。トヨタ自動車が開発した管理システム「豊作計画」を導入し、無人ヘリも保有するなど、先進的な経営に取り組んでいる。

特A  日本穀物検定協会が毎年発表している米の食味ランキングで、5段階のうちの最高ランク。炊いた白飯を試食して、評価する。複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米として、それより特に良好なものを特Aとする。昨年産のランキングでは154銘柄のうち53銘柄が特A。

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使い方
2472424 0 ずばり逸品 2021/10/27 05:00:00 2021/10/27 05:00:00 2021/10/27 05:00:00 愛知県農業試験場の種子庫(愛知県長久手市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211026-OYTAI50013-T.jpg?type=thumbnail

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