中部圏 EC市場拡大高まる需要 大型物流施設建設ラッシュ

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

国内最大級の物流施設が計画されている三菱重工業岩塚工場跡地(名古屋市中村区で、本社ヘリから)=尾賀聡撮影
国内最大級の物流施設が計画されている三菱重工業岩塚工場跡地(名古屋市中村区で、本社ヘリから)=尾賀聡撮影

 東海3県で、大型物流施設の開発が相次いでいる。コロナ禍による電子商取引(EC)の拡大で、配送拠点の需要が高まっているためだ。5月に全線開通した名古屋第二環状自動車道(名二環)の沿線を中心に、来年から次々に完成する予定だ。(藤井竜太郎)

■国内最大級 名古屋市中村区の三菱重工業岩塚工場跡地では、約16万平方メートルの広大な土地に米系不動産投資ファンド「ラサール不動産投資顧問」(東京都)が国内最大級の物流施設を建設する計画を進めている。

 地上4階建てで、延べ床面積は35万3000平方メートル。複数のテナントが入居するマルチテナント型の物流施設となる予定で、2023年の完成を目指している。

 名二環の千音寺南インターチェンジ(IC)に近く、JR関西線・八田駅から徒歩圏内と、施設で働く従業員も確保しやすい。ある不動産関係者は「都市部にこれだけの規模の施設を建設する衝撃は非常に大きい」と話す。

■交通網 不動産サービス大手「CBRE」によると、延べ床面積5000坪(約1万6500平方メートル)以上の物流施設は東海3県に計28か所(愛知25、岐阜2、三重1)ある。今後、さらに8か所が予定されている。

 大和ハウス工業(大阪市)は、22年5月の完成を目指して、愛知県弥富市に「DPL名港弥富I」(延べ床面積約21万平方メートル)を建設している。ESR(東京都)は、三重県木曽岬町に「ESR弥富木曽岬DC」(約15万5000平方メートル)を22年4月に完成させる予定だ。

 東海地方の物流施設は、東名高速道路や名神高速道路沿いの愛知県小牧市や春日井市が多かったが、近年は名二環の全線開通もあり、湾岸エリアでの建設が活発だ。名古屋港に近い弥富市や木曽岬町などでも建設が進められている。

■投資対象 経済産業省によると、20年の国内の消費者向けECの市場規模は約19兆円で5年前の約1・4倍に増えた。生活家電や衣類、食品などの物販系分野は前年比約2割増となった。

 中部圏における大型物流施設の合計延べ床面積は首都圏の10分の1、関西圏の3分の1程度(19年)にとどまっていた。中部の人口や商圏が首都圏や関西よりも少ないことが背景にある。

 だが、EC市場の拡大や新名神など高速道路網の整備が進んだことで、日本の中心部にある中部圏の立地の良さが改めて認識されている。コロナ禍で打撃を受けたオフィスビルやホテルに代わる不動産投資信託(リート)の対象としても注目されている。

 9月に発表された21年の基準地価では、工業地で愛知県飛島村の住友倉庫が前年比14・0%上昇し、全国でも4番目の上昇率となった。全国では、工業地の変動率上位5か所のうち3か所を物流関係用地が占めた。不動産鑑定士の小森洋志氏は「コロナ禍になってから物流適地への需要が非常に高くなっている」と分析する。

 CBRE名古屋支店の野村明皓支店長は「コロナでダメージを受けたオフィスやホテルなどに代わって、物流施設に投資が流れ込んできている。コロナがある程度収束しても、投資対象としての人気は続くだろう」と分析している。

大型物流施設 複数のテナントが入居するマルチテナント型と、1社のみが入居するタイプがある。CBREでは首都圏と関西圏では延べ床面積1万坪(約3万3000平方メートル)以上、その他地域では5000坪以上の施設としている。

スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
2420666 0 東海けいざい一般記事 2021/10/06 05:00:00 2021/10/06 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211005-OYTAI50014-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)