小型機シェア事業  テイクオフ 中部国際◆県営名古屋

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休眠機・操縦士・利用者をマッチング

「空飛ぶクルマ」参入視野

デモフライトで小型機を操縦する有賀さん
デモフライトで小型機を操縦する有賀さん

 愛知県の中部国際空港(常滑市)や県営名古屋空港(豊山町)で、小型航空機のシェアリングサービスが利用できるようになった。北海道の新興企業が、利用客の希望日時やルートに応じ、空いている小型機と操縦士をマッチングする。将来は数人乗りの小型電動航空機「空飛ぶクルマ」の活用も視野にある。(岡崎哲 写真も)

 ■間近に操縦士

 昨年末、北海道帯広市の「エアシェア」が行った同市―大樹町間(約30キロ・メートル)のデモフライトに参加した。

 軽自動車より一回り小さな機内では、航空自衛隊出身の操縦士、有賀陸馬さん(27)が、操縦かんを握る姿を間近に観察できた。窓越しに360度の雄大な景色が広がる。高度500メートル程度ということもあり窓を開けて外気に触れることもできた。大型旅客機に比べて飛ぶこと自体を実感しやすいのが 醍醐だいご 味だ。

 「富裕層が保有する小型機、収入を増やしたい操縦士、自由な旅を求める旅行者の3者を結ぶ、いわば空飛ぶウーバータクシー」。デンソー子会社出身で、エアシェア最高経営責任者(CEO)の進藤寛也氏(37)が説明する。

 米ウーバー・テクノロジーズのように、インターネットを通じて乗り物を共有する事業「シェアリングエコノミー」の一種で、航空業界では国内で初めての試みという。

 

■北アルプス周遊も

エアシェアのサービスを説明する進藤CEO
エアシェアのサービスを説明する進藤CEO

 大手航空会社の定期路線にない「気ままな空の旅」を実現できるのが特長だ。

 名古屋空港にはセスナ機(乗員・乗客4人)などが登録されている。同空港の発着で北アルプスを周遊する場合、費用は1機約12万円だ。割高に感じるが、3人で利用すれば1人約4万円と手が届く水準となる。

 名古屋空港からは定期路線がない能登空港や福井空港、松本空港などに飛べる。

 新幹線やフェリーを乗り継いで片道で半日近くかかる伊豆七島への移動も1時間半ほどで実現可能だ。

 これまで活用されてこなかった地方空港や小規模の滑走路を含む全国140以上の空港を気軽に移動できるという。

■ビジネスモデル

 利用希望者は、エアシェアのサイトで希望の日時、ルートなどの条件に合う機体や操縦士を検索し、リクエストを送る。操縦士と機体の所有者が承認すれば予約が成立する。エアシェアは、所有者や利用者が支払うマッチングシステムの使用料で利益を得る。

 国内で登録されている小型機は約700機に達するが、多くがわずかな時間しか使われず、約9割が格納庫などで眠っているという。有効活用により、オーナーや操縦士には収入を得る機会が得られる。

 エアシェアは2020年1月、国土交通省の適法確認を得てサービスを試験的に開始。名古屋のほか東京、大阪などを拠点に、登録する小型機やヘリを30機、操縦士を32人に増やした。登録されている機体は国の検査を受け、点検・整備がされている。操縦士もプロの資格を持つ。

 エアシェアは市場拡大が予想される「空飛ぶクルマ」のシェアリング事業への参入を目指している。

 米モルガン・スタンレーの推計では、「空飛ぶクルマ」の世界の市場規模は20年の約74億ドル(約8500億円)から40年には1兆5000億ドル(約172兆円)まで拡大する見通しだ。

 進藤CEOは「量産化前の 黎明れいめい 期は、1機数千万円の高額な購入費用が普及の足かせになる。シェアリングで利用コストを押し下げれば普及を後押しできる」と話す。

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