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シカ さばいて焼く
東海地方を中心に活動するキャンパーたちのキャンプスタイルや楽しみ方を紹介する企画「東海CAMPers」。ユーチューブやインスタグラムで積極的に発信しているキャンパーならではの情報を、日曜日の紙面で随時お届けします。今回は「特別編」の第3弾!! 「さばいどる かほなん」が、冬のサバイバル術の上級編として、山で捕れた獲物を使った豪快料理を紹介します。

冬は食べられる山野草も少なく、食料の確保が難しい季節。でも、狩猟の期間でもあります。今回は、岐阜県の山で捕れたシカをさばいて、その肉を焼いて食べてみました。
狩猟には要免許
狩猟は誰でもできるわけではありません。法律の知識などが必要で、試験を受けて免許を取得しなければなりません。
免許は、大きく分けて「銃」「わな」「網」の3種類があります。銃で狙うのは主にイノシシやシカ、クマなど。わな猟でもイノシシやシカを狙いますが、テンやハクビシンなどの小動物も捕ります。網猟では主に鳥類を狙います。
実は私も、わな猟の免許を持っています。シカやイノシシを狙い続けているのですが、野生動物は警戒心が強く、森の中で動物の「通り道」を探すのも大変。毎日見回りに行く必要もあって、なかなか挑戦できず、まだ大物が捕れたことがありません。

頭を下につるす

そこで今回は、岐阜県八百津町の猟師さんの協力を得て、体重60キロほどの2~3歳のオスをさばかせてもらいました。
シカに限らず、大型の動物をさばくときは、頭を下にして作業場などの天井からつるします。毛皮についた泥などを洗い流し、肉が傷まないように冷蔵庫などで冷却しておきます。
天井からつるしたら、足の方から皮に切れ目を入れて少しずつ皮をはいでいきます。枝肉にしたら、まな板の上に下ろし、もも肉やロースなどの各部位に切り分けます。
冬に作業するので、手が冷たくて本当に大変です。でも、大切な「命」をいただくので、決して無駄にしないように、丁寧にさばいていきます。
人気は背ロース
人によって好みは様々ですが、一番人気は背ロースですね。私も今まで色んなシカ肉料理に挑戦しました。カレーに入れたり、あばらの部分をコーラ煮にしたり。特に骨回りのお肉の味は格別で、それぞれの部位で味わいが違うシカ肉が大好きです。
今回は、後ろ足の太ももの部分を使って、初級編で学んだたき火やトライポッド(三脚)を使い、豪快に「シカ肉のつるし焼き」を作ってみました!!
長さ25センチ、厚み5センチほどに切り、そこにスパイスをすり込んでおきます。色々な味のスパイスが出回っているので、いくつか買って試してみてください。
遠火でじっくり
あとは、ワイルドに、ホームセンターなどで売っているS字フックを肉に掛け、トライポッドにつるして遠火で1時間ほどじっくり時間をかけて焼いていきます。
ゆっくり火を入れたシカ肉は臭みもなくて、しっとりジューシー。かむたびにおいしい肉汁があふれます。やっぱり、自分でさばいたシカ肉は最高!! みなさんも挑戦してみてください!!
取材協力は「五宝の滝」
今回取材に協力してくれたのは、岐阜県八百津町が誇る全国有数の名瀑(めいばく)・五宝滝の近くにある料理店「五宝の滝」。地元猟師などが捕ったイノシシやシカなどのジビエ料理が食べられる。現在は新型コロナウイルスの影響で土日のみの営業だが、春以降は毎日営業する予定。

ここがポイント!!
→さばくときは頭を下にして天井からつるす
→狩猟後は肉が体温で傷まないようにすぐに冷却する
→部位によって味もさまざま。好みの調理方法を研究しよう
→つるし焼きの極意は「じっくり火を通す」
【さばいどる かほなん】 岐阜県出身のアイドル、タレント。アイドル界、そしてどんな環境下でも「サバイバル(生き残る)」するという意味を込めて名づけられた。ユーチューブ「さばいどるチャンネル」のチャンネル登録者数は約43万9000人。キャンプ系動画をアップするユーチューバーの中でも屈指の人気を誇る。