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学生ならではの目線で、気になることを調査し、情報を発信している椙山女学園大(名古屋市千種区)の新聞報道部。今回は大学生にとって必需品の「文房具」をテーマに大手生活雑貨店「ロフト名古屋」で取材した。便利グッズ、おしゃれなデザイン、時代を反映する新商品――。広報担当の古賀悦子さんに案内してもらった。
くすみカラー クリア素材

最新のトレンドはズバリ、くすみカラーと、中が透けて見えるクリア素材。くすみカラーはグレーがかった曖昧な色合いをしており、最近の流行色だ。
店内には、落ち着いた色合いの商品がそろっている。ピンクや青などの原色系も「くすみピンク」「くすみブルー」になることで、目に柔らかく女性に人気が高いのもうなずける。
クリア素材では、ペンケースが売れ筋だ。SNSを中心に「映えるペンケース」として注目を集める。中身をくすみカラーの品々で統一したり、ステッカーを使って装飾したりして、自分好みのペンケースにする。使いたいものをすぐに取り出すことができる利便性もうれしい。
ボールペンは書き心地が命。紙とペン先で生じる筆記振動(ブレ)を制御した「ブレン」シリーズ(ゼブラ、165円~)は「長時間書いてみると、その良さがよく分かる」(古賀さん)。2019年度グッドデザイン賞、iFデザインアワード2021を受賞した。
取材前日、ロフトネットストアを見たら、売れ筋ランキング1位だった。今春限定で、流行のくすみカラー(全6色)も加わった。
「男性は、総じて品質にこだわるようです」と古賀さん。10代男子に人気のシャープペンは、製図用を一般向けにした「スマッシュ」(ぺんてる、1100円~)だ。洗練されたデザインに加え、グリップとペン先を一体化し、安定した書き心地を実現した。価格はやや高めだが、ロングセラーの商品だ。ユーチューブなどによって、商品細部のこだわりが広まり、さらに人気を集めているという。
環境に配慮 木でボールペン

環境保全に配慮したエシカル文具という分野を開拓したのは、「ペノン」(東京)のボールペンシリーズ(1200円~)だ。伐採後、植林するなど適正に管理された森林から生産されたことを示す「森林認証」(PEFC認証)を受けた木材を使用している。ペンの本体は米・カリフォルニア州産のインセンスシダーというヒノキ科の木材で、商品の包装材も森林認証の紙にした。
木の本体は、使い込むほど手になじみ、時間を経て味わいが出てくる。替え芯の包装材は無料の返信用封筒になっており、使い終わりの芯を入れて送れば、メーカーが回収・リサイクルまで責任を持つ。日本の文房具業界では、初めてという本格的な脱炭素の取り組みに期待したい。
ネットショッピング時代ならではの一品が、
※価格はロフト名古屋の販売価格(税込み)
古風な万年筆最初の1本に
ロフト広報担当・古賀さん

新商品で盛り上がる中、お薦めはちょっと古風な印象のある万年筆です。中でも「カクノ」(パイロット、1100円)は「万年筆との初めての出会いが、大切なものとなるように」という思いが込められています。
ペン先に笑顔のマークが描かれ、持つ向きが分かりやすくなっています。六角形のキャップと軸は転がりにくく、なだらかな三角形のグリップは指にフィットします。価格も比較的手頃で、子どもから大人まで万年筆が初めての人にも挑戦しやすくなっています。
インクも定番の黒に加え、赤、青、ピンク、オレンジ、茶など色とりどり。インクの美しさに魅了される「インク沼」という言葉が生まれるほどで、10色以上まとめ買いする人もいます。
書くことで頭に残るし、気持ちもこもります。ボールペンでは表現できないやわらかな書き心地、インクだまり、にじみも魅力です。デジタル化が進み、書くことが少なくなった時代だからこそ、日記を書くときなどに使っていただきたい。
ロフト名古屋 名古屋市中区栄のナディアパーク内にある大手生活雑貨店。文房具、化粧品、キッチン用品、キャラクター雑貨など日々の暮らしを彩る生活雑貨をそろえる。文房具のフロアは4階。文房具だけで3万点以上ある。
取材後記
見るだけで楽しい
スマートフォン1台で何でも記録できてしまう時代に、好きなペンやノートを手軽に選んであえて手書きをする。文房具は種類が豊富で、店内を見ているだけで楽しかった。デザインや機能が少しずつ異なり、文房具の奥深さを改めて知った。(部長)
これまで特にこだわりがないつもりだったが、私たちが中高生の時に使っていた立つペンケース「ネオクリッツ」(コクヨ)、芯がとがり続けるシャープペン「クルトガ」(三菱鉛筆)が今も少しずつ形を変えて進化し、人気商品だと知って感動した。(副部長)