劉慈欣「三体」「三体2黒暗森林」「三体3死神永生」(早川書房)

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キンドル作家 庵柁父悠介さん

(@adachinoaccount)

 「100年は読み継がれる作品だと思った」。名古屋市の「Kindle(キンドル)」作家・ 庵柁父あだち 悠介さん(39)は、中国のSF小説「三体」に衝撃を受けた。「最近読んだ本ではナンバーワン」と強く推す理由について語った。

宇宙 壮大な世界観魅力

庵柁父さん一押しの「三体」
庵柁父さん一押しの「三体」

 もともと、宇宙物理学や宇宙論が好きで、SF小説では、スペースオペラものを好んで読んでいた。その中でも「三体」は一押し。壮大な世界観に魅せられた。3部作で全5冊と長大だが、どの巻も見事に作り込まれている。

 三体の世界では、太陽が三つあり、二つまでなら予想できる軌道が、全く読めなくなる。1年後の位置も把握できない。最新の物理学をもってすれば何でも解明できるのではと考えてしまうが、決してオールマイティーではなく、限界があるということを示している。

 表現力も素晴らしい。3次元が崩壊し、2次元化していくシーン。何を言っているのか分からないと思うけど(笑い)、その描写に感心した。また、ブラックホールに落ちていくところを、外からはどう見えるのかということも、しっかり科学的に考察して描いている。

 全話で300年から400年単位のストーリーだ。作中、信じられないくらい科学が進歩した未来についても、異星人が攻めてきて、地球規模で対応していくという状況であれば、あり得るかもと実感させる。

 読み進むほど、物理や科学の世界に、興味を抱かせてくれる小説でもある。

 スペースオペラでは、米国のSF作家オースン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」もお薦めだ。異星の攻撃から地球を守るため、ゲームを通じて、少年たちのセンスを測りながら、司令官になるための訓練をしていくストーリー。高校生くらいの時に読んだが、少年心をくすぐる展開で、本当に面白かった。どんでん返しが用意されるなど、ミステリーの要素も含んでいる。

 考えてみれば少年時代は、宇宙を舞台に、主人公がロボットに乗り込んで戦うようなスペースオペラ作品に接してきた。「ガンダム」もそうだが、日本人は子供の頃から、アニメや漫画を通じて、SFにどっぷりつかっているといえる。「新世紀エヴァンゲリオン」を見た時は、何となく英国のSF作家アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」を思い出した。

 優れたアニメのクリエーターの方たちは、SF小説の名作もしっかり読み込んでいるのではないだろうか。

あだち・ゆうすけ

庵柁父悠介さんが著した「守護霊シフト制」上巻
庵柁父悠介さんが著した「守護霊シフト制」上巻

 昨年12月、デビュー作となる電子書籍の小説「守護霊シフト制」を、アマゾンの「キンドル」版で発表。上下2巻で計1000ページに及ぶ。自身は「模倣犯」(宮部みゆき)などの社会派ミステリーや、「殺戮にいたる病」(我孫子武丸)といった「どんでん返し系」のミステリーを愛読。「最後の最後で真相が明かされ、もう一度読みたくなるような感覚が好き」といい、「守護霊――」も「大量に張った伏線を回収する構成にした」と話す。

庵柁父悠介さんおすすめの10冊

「エンダーのゲーム」オースン・スコット・カード

「模倣犯」宮部みゆき

「白夜行」東野圭吾

「黒い家」貴志祐介

「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎

「殺戮にいたる病」我孫子武丸

「リバース」湊かなえ

「硝子の塔の殺人」知念実希人

「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」斎藤惇夫

「影響力の武器」ロバート・B・チャルディーニ

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