島田ゆか「バムとケロのにちようび」(文渓堂)

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三省堂書店名古屋本店

(@naghon_sanseido)

石本恵子さん

 「絵本をプレゼントしたいけれど、どれを選んでいいのか分からない」「自分の子どもに読ませるのに、おすすめの絵本は?」。三省堂書店名古屋本店(名古屋市中村区)は、来店客からよく受ける質問にすぐ答えられるよう、5月中旬から「年齢別おすすめ絵本」の特設コーナーを設けている。同店係長で児童書担当の石本恵子さんは、そこに並べた絵本の中から「バムとケロのにちようび」を一押しの1冊に挙げた。

対照的性格 でも仲良し

「バムとケロのにちようび」を手にする石本さん(三省堂書店名古屋本店で)
「バムとケロのにちようび」を手にする石本さん(三省堂書店名古屋本店で)

 一緒に暮らしている犬の「バム」とカエルの「ケロ」が主人公のシリーズ第1作。雨の日曜日、外で遊ぶことができず、退屈しているところから始まる。気が付けば泥だらけのケロ。バムがてきぱきと掃除をして、すっかりきれいになったのに、またしても泥だらけのケロ……。そこからも楽しいやりとりが続く。読書をするため、部屋のお片付けと山盛りドーナツのおやつを用意した2人は、無事に楽しい時間を過ごすことができたのか。続きはぜひ絵本でお楽しみいただきたい。

 おすすめのポイントとして、まず話の展開にひきつけられる。そして、キャラクターが魅力的。しっかり者できちょうめんなバム、やりたい放題のケロと、対照的な性格だけど仲の良い2人のやりとりが、温かくて面白い。

 何より、絵がとてもすてきだ。作者の島田ゆかさんはカナダ在住で、画風は海外の絵本のよう。細部まで丁寧に描かれており、例えば2人の住む家の家具や小物も独創的で、絵本の中の小物が欲しいというファンも多い。ストーリーに関係なく、何げなく描かれているサブキャラクターも人気。まるで「探し絵」のような楽しみ方もできる。

 シリーズは全部で5冊。第1作の刊行は1994年で、5作目の「バムとケロのもりのこや」が2011年に出たきり、10年以上も新作が出版されていないが、根強いファンは多い。「年齢別おすすめ絵本」のコーナーでは「4、5歳」のところに置いているけれど、3歳ぐらいから楽しめる。

「バムとケロのにちようび」(左)と、「かいじゅうたちのいるところ」
「バムとケロのにちようび」(左)と、「かいじゅうたちのいるところ」

 このほかに選んだ10冊も定番の絵本として読み聞かせしてほしいものばかり。

 海外の絵本「かいじゅうたちのいるところ」も、一見、怖いと思う子どもがいるかもしれないが、内容はとてもいい。いたずら好きな男の子が、お母さんに怒られ、閉じ込められた部屋の中で、冒険に出るというお話。そうして怪獣たちのすむ島にたどり着く。

 設定が面白くて、怪獣の描写も迫力がある。子どもの立場からすると、いたずらをしたり、冒険を楽しんだりする主人公の男の子の気持ちがよく分かるのだ。「好き勝手するのっていいよね」って。小さな子の心情を、とてもよく理解して描いている。

 いい絵本はたくさんあるのだが、毎日のように出版される状況で、限りあるスペースに平積みできる新刊は1~2割。昔から愛読されている定番や、大人が懐かしがるロングセラーも外せない。特設コーナーは、そうした状況の中、自信を持っておすすめできる絵本を紹介したいとの思いで設けた。子どもたちにも、並んでいる表紙の絵をまず見てもらいたい。とても魅力的だ。

石本恵子さんおすすめの10冊の絵本

「はみがきれっしゃしゅっぱつしんこう!」くぼまちこ

「せんろはつづく」竹下文子、鈴木まもる

「なにをたべてきたの?」岸田衿子、長野博一

「ねずみさんのながいパン」多田ヒロシ

「しんごうきピコリ」ザ・キャビンカンパニー

「ほげちゃん」やぎたみこ

「あめふり」さとうわきこ

「ぶたのたね」佐々木マキ

「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダック、神宮輝夫

「すてきな三にんぐみ」トミー・アンゲラー、今江祥智

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