リリフル、サンメッセ、艶金(いずれも岐阜県大垣市)

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クレヨン再生心を育む

【やっている主な目標】

 12 つくる責任つかう責任

 17 パートナーシップで目標を達成しよう

3社が協力

金森社長
金森社長

 家庭から回収した不用のクレヨンを、様々な色が混じった「マーブルクレヨン」に再生し、学校に贈って使ってもらう取り組みが岐阜県大垣市で進んでいる。主導するのは地元企業3社で、製作体験ができるワークショップも展開。子どもたちにSDGs(持続可能な開発目標)を身近なものとして考えてもらい、環境に配慮した行動につなげたい考えだ。

 この3社は、企業主導型の保育所を運営するリリフル、総合印刷会社のサンメッセ、衣料染色会社の 艶金つやきん 。もともとリリフルでは、保育事業の提携先だったサンメッセと艶金から廃材の紙や布をもらい、幼児のお絵描きなどの遊びに活用していたという。

 近年、SDGsの考え方が浸透する中、リリフルの金森律子社長(47)は、子ども目線でさらに一歩進めた活動を広め、地域の学校や家庭、企業で「もったいない」の心を養おうと、この2社に提案。快諾を得て、昨年8月に「マーブルクレヨンプロジェクト」をスタートさせた。

溶かして固めて

カラフルな「マーブルクレヨン」
カラフルな「マーブルクレヨン」

 この活動ではまず、使用されずに家庭で眠っているクレヨンを、協力が得られた小中学校やショッピングセンターなどで回収する。集めたクレヨンは長さ1センチ程度の大きさに切断。鳥などのキャラクターの型(縦3・5センチ、横2・5センチ)に、5~6個をひとまとめに入れて電子レンジで溶かし、乾燥させて固めると、マーブル状のきれいなクレヨンが出来上がる。

 昨年度は約200キロ(約1万本)ものクレヨンを回収し、市内の全小学1年生に向けてマーブルクレヨン1316個を贈呈。これに合わせ、艶金は廃棄していた布とひもからクレヨンを包む巾着を、サンメッセは廃紙からノートをそれぞれ作製して贈った。

 学校外でのワークショップは11回に上り、親子や事業所の職員ら計638人が参加。捨てられるクレヨンが再生できることに驚いたり、贈呈用のマーブルクレヨンに「この色、気に入ってくれるかな」と他人の気持ちを思いやったりする子どももおり、こうした気付きや反応が得られるのもSDGs活動の妙味という。

市と連携

 昨年度は途中から活動を始めた経緯から、学校での授業のスケジュールに組み込んでもらうのは難しかったうえ、コロナ禍で啓発イベントが予定通りに開催できない課題もあった。ただ、これまでの活動の成果が市に認められ、3社は3月に協定を締結。今年度から市と連携し、今回の活動を進めるほか、SDGsをテーマとする社会教育や家庭教育の充実に本格的に取り組む構えだ。

 SDGsに詳しいサンメッセの田中信康・取締役専務執行役員(55)は「SDGsの敷居を低くすることで多くの中小企業を巻き込み、大垣からうねりを起こしたい」と強調。金森社長は「この活動が模範となり、他の地域にも広がってほしい」と話す。

 一方、艶金ではビジネスに波及効果が出始めており、他社から、活動で使う布やひもに関心が寄せられているという。墨勇志社長(59)は、ファッション業界の現状について、余分に服をつくり、消費者側も「タンス在庫」を抱えていると指摘。「つくる側、使う側で反省しようとする機運が一気に高まっており、今後、SDGsに沿った新たな切り口のブランドが次々と生まれてくるだろう」と推測する。(野村順)

 【メモ】 リリフルは2017年設立で、従業員約30人。サンメッセは1935年創業で、社員687人(21年3月期)。艶金は1956年設立で、従業員132人(21年1月期)。

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