秋田屋本店(岐阜市)

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養蜂始める企業手助け

やっている主な目標

3  すべての人に健康と福祉を

13 気候変動に具体的な対策を

15 陸の豊かさも守ろう

養蜂場の巣箱の状況を確認する秋田屋本店の社員(岐阜県山県市で)=提供写真
養蜂場の巣箱の状況を確認する秋田屋本店の社員(岐阜県山県市で)=提供写真

花粉交配助ける

 養蜂事業を手がける「秋田屋本店」(岐阜市加納富士町)は、2021年3月から、企業のSDGs(持続可能な開発目標)活動を支援する「企業養蜂」事業を行っている。

 植物の花粉交配を助けるミツバチを飼育することで、地域の緑化に貢献できるという。

 蜜を集めるため、花から花へと飛び回るミツバチは、植物の再生産を助ける花粉の媒介者として知られている。

 国連環境計画の報告によると、世界の食糧の9割を占める100種の作物のうち、70種以上の受粉を媒介しているとされ、農業生産の現場でも欠かせない存在となっている。

 企業養蜂は、女王バチとオス、働きバチなどの種蜂と養蜂器具、研修プログラムをセット販売するものだ。研修は春と秋に計3泊5日行い、継続的に養蜂を行っていけるよう基礎から指導する。

 実際に導入する際の支援や導入後の相談対応なども行う。

 社員2人分の研修費などを含むセット料金は118万円で、中部地方を中心に約40社が導入または導入予定という。

養蜂のスタートパック(提供写真)
養蜂のスタートパック(提供写真)

SDGsと親和性

 同社は材木商だった130年ほど前に、養蜂で使う巣箱づくりを始めた老舗の養蜂問屋だ。

 ハチミツなど蜂産品の製造・販売とともに、現在は主にプロの養蜂家や農家向けに養蜂器具の販売を行っている。

 最近は、定年退職後のサラリーマンが自然志向の生活に取り入れたり、非営利組織(NPO)が緑化や生物多様性の保全などを目的に、養蜂を行ったりする動きも出ていた。

 ここ数年は企業からも相談が寄せられることが多くなっていた。SDGsの達成に向け、会社として何ができるかの検討を進めていた時期でもあり、「養蜂とSDGsの親和性は高い。わかりやすく発信すれば共感を得られるのではないか」と企業養蜂の事業化を決めた。

緑化の相乗効果

 企業養蜂は工場や自動車メーカーのテストコース用地、ビルの屋上など様々な場所で行えるが、都道府県への申請が必要だ。

 ミツバチの活動範囲は巣から半径2~3キロとされ、植物の受粉を媒介することで、周辺の植物が増える効果がある。企業の緑化活動との親和性も高く、ハチミツを地域に提供することなどでイメージアップにつながるという。

 ミツバチは環境に敏感な生物だ。日常的な養蜂活動を通じて、社員の環境意識も高まる。グループで育てることで社内コミュニケーションが円滑になるなどの効果も期待できる。

 中村浩康社長(40)は「SDGsに興味がある多くの企業が企業養蜂に参加している。企業間の交流を深めるきっかけになり、新たなSDGsの取り組みに発展したらうれしい」と話している。(一條裕二)

  【メモ】  秋田屋本店は1804年に秋田杉を扱う材木商として創業した。セイヨウミツバチを使った近代養蜂が日本に伝わったばかりの1887年に養蜂部を創設し、養蜂事業や、蜂産品、養蜂資材の製造・販売などを手がける。グループ従業員数約230人。トースト専用と銘打った「雪白」(90グラム、691円)などユニークなハチミツ商品が人気。2021年8月期の売上高は約80億円。

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