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名古屋市中区の旅行会社「エヌワンツアー」が旅行予約をキャンセルした顧客らに代金を返金せず、愛知県から旅行業者の登録を取り消されていたことがわかった。同社の説明によると、コロナ禍に伴う経営悪化のため、約70組に計2500万円程度を返金できていないという。
県や全国旅行業協会(東京)によると、同社は1999年に旅行業登録し、同協会に加盟。海外での新婚旅行商品などを販売してきたが、2020年春以降は新型コロナウイルス感染拡大で顧客からの渡航中止や延期の申し出が相次ぎ、同社からの返金が滞るようになったという。
客から相談を受けた県が同社を指導したが返金は進まず、同協会が21年9月、申し出のあった同社の顧客13人に計450万円を弁済した。同社は弁済金450万円を協会に納付できなかったため、県は同10月、旅行業法に基づき同社の旅行業者の登録を取り消した。
同社の男性社長は読売新聞の取材に、現在も約2500万円が未返金だと説明し、「海外業者に支払った航空代金などが戻らず、経営が苦しくなった。旅行事業は行っていないが、別事業の収益を充てて今後も返金していく」などと述べた。
一方、同社に約110万円を支払ってハワイ旅行を予約していたさいたま市の会社員男性(44)は「会社から説明がないし、電話をしても連絡が取れず、不誠実な対応だ。返金もされず、本当に悔しい」と話した。