マリウポリ脱出、小牧へ…市が独自支援

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日本国籍女性、国の支援対象外

愛知県小牧市から支援金を受け取った女性(16日、小牧市役所で)=青木久雄撮影
愛知県小牧市から支援金を受け取った女性(16日、小牧市役所で)=青木久雄撮影

 ロシア軍の侵攻が続くウクライナ南東部の激戦地・マリウポリを脱出した女性が、幼少期を過ごした愛知県に身を寄せ、同県小牧市で生活を始めている。日本人の父とフィリピン人の母との間に生まれた女性は、日本語があまりうまく話せないが、日本国籍のため国の避難民支援の対象外で、市の支援を受けながら生活再建を目指す。

 「大変厳しい状況だったが、小牧市に住み始めて気持ちが落ち着いた」。16日、同市役所を訪れ、山下 史守朗しずお 市長から支援金16万円を受け取った女性はこう切り出すと、「夫のためにも頑張りたい。マリウポリでは将来のことを考えられなかったが、今は未来のことを考えられるようになった」と語り、声を詰まらせた。

 女性は30歳代で、ウクライナ人男性と結婚し、昨年10月からマリウポリで暮らしていた。「美しい街」だったが、今年3月になってロシア軍の攻撃が激しくなり、親戚宅の地下室に隠れた。停電で携帯電話の充電もできず、屋外で炊事し、バケツに集めた雪を溶かして皿を洗った。

 「ビルが攻撃され、燃えて壊された。生きていることが奇跡だった」。脱出を決意し、3月中旬に夫と出発。ロシア軍の検問所を通過するため、携帯電話に保存していた写真は消去した。

 東部のドニプロに着いたが、ウクライナの総動員令のため30歳代の夫の出国はかなわず、一人で日本に帰国することに。日本大使館から東京と愛知に受け入れ先があると聞き、4月21日に中部国際空港に到着し、小牧市に身を寄せた。

 出入国在留管理庁によると、ウクライナ避難民への支援は外国人が対象。外務省は「邦人の帰国者には、居住地の自治体が住民と同じ支援を行うことになる」としており、市が一時的な滞在先を用意し、市社会福祉協議会が食料や衣類を支給した。市は今後、職員が寄付を募って家電などを贈る予定で、公営住宅の提供や日本語教室の紹介も検討している。

 女性は「今は小牧の人たちに手伝ってもらって落ち着くことができ、感謝している。ウクライナでしていたホテルの仕事を見つけたい」と話す。山下市長は面談後、「国に状況を伝え、避難民と同様の支援策を求めたい」と述べた。

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3005252 0 ニュース 2022/05/17 05:00:00 2022/05/17 05:00:00 2022/05/17 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220516-OYTNI50078-T.jpg?type=thumbnail

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