「歌う僧侶」に学んだこと

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 坊主頭に法衣姿でギターをつま弾き、ポップスの優しい旋律に般若心経をのせる。今治市の海禅寺で副住職を務める薬師寺 寛邦かんほう さん(43)だ。

横峰寺の参道を歩く薬師寺さん(動画の一場面)
横峰寺の参道を歩く薬師寺さん(動画の一場面)
薬師寺さんの著書「般若心経、私は歌う」
薬師寺さんの著書「般若心経、私は歌う」

 江戸時代から続く禅寺の一人息子だが、後を継ぐことへの反発もあり、中学でギターを始めた。大学卒業後には音楽グループでメジャーデビューを果たした。それが音楽を続けるうち、「人に希望や安らぎを与えるのは音楽も仏教も同じ」と考えるようになり、2011年に寺へ入り、修行を始めたという。

 現在も僧侶姿でライブステージに立ち、2年前からは四国八十八か所霊場でのミュージックビデオの撮影に挑む。ドローンの空撮を取り入れ、音楽とともに仏閣の美しさや自然の雄大さを伝える。既に20か所で撮影を終え、「般若心経MUSIC遍路」として「ユーチューブ」で順次公開している。

 石鎚山の中腹に位置する六十番札所・横峰寺(西条市)の動画では、周囲に濃い霧が立ちこめる中、薬師寺さんが白装束で参道を歩き、本堂で祈りをささげる。奥の院での撮影時には、少しずつ霧が晴れて石鎚山の山頂が姿を現した。薬師寺さんは「本当に偶然。『仏』がかっていた」と振り返る。

 4月には宗教家、音楽家としての半生を著した「般若心経、私は歌う」(ワック)を出版した。その中に、薬師寺さんが曲作りに悩んだ時、自らに問いかけた一節が記されている。「本当に伝えたい自分の心のメッセージを見ようとしなかったのではないか。だからこそ、人の言うままに変えられるのではないか」

 自分も取材で見聞きしたことをいかに伝えればよいのか、悩むことは多い。「歌う僧侶」の奮闘する姿に、その言葉に、大切なことを学んだ。(丹下巨樹)

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