ルアーで転落男性救助
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松山海保 釣り人3人に感謝状

伊方町で昨年12月、海に転落した男性を救助したとして、松山海上保安部は、磯釣りをしていた3人に感謝状を贈った。約30メートル沖に流された男性にめがけて、釣りざおを振ってルアーを的確に投げ入れ、救助に結びつけたという。
松山海保によると、3人は釣り仲間の県職員阿部勇飛さん(19)(八幡浜市)、団体職員池田一平さん(32)(西条市)、会社員加藤孝幸さん(39)(松山市)。昨年12月19日午前7時頃、伊方町神崎で磯釣り中、約30メートル沖に救命胴衣を着用した50歳代の男性が漂流しているのに気づいた。
池田さんはすぐにルアーの針を外し、投げ入れた。2回目で男性の手がルアーに届いたため、釣り糸が切れないようリールをゆっくりと巻いて引き寄せた後、阿部さんと池田さんが男性を岩場に引っ張り上げた。
男性は低体温症で病院に搬送されたが、命に別条はなかったという。
釣りの道具は「10キロ超のハマチなど大物を狙うつもり」の丈夫なものだったといい、池田さんは「とっさにルアーを投げるしかないと思った。助けられて本当に良かった」と話した。
当時は風が強く、男性は釣り中に岩場で大きな波にさらわれたとみられ、松山海保は「釣りの際には救命胴衣を着用し、危ないと思ったら避難してほしい」と呼びかけている。