お店の味 住友化学に配達
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新居浜 3月9日から限定弁当

新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込んでいる新居浜市内の飲食店と、工事のため、五つの社員食堂が1か月近く休業する市内の住友化学の工場が協力して、工場に店が弁当を配達する「住化あかがね食堂」が3月9日にスタートする。4月2日までの期間限定で、携わる人たちは「社員が新たな店の味を知り、店が新たな客を獲得するきっかけになれば」と期待する。(岩倉誠)
コロナで苦境 双方応援企画 社員食堂休業
「あかがね食堂」は、瀬戸内海沿岸部で操業する同社の愛媛工場と大江工場にある計5食堂を利用する社員が対象。1日計400食で、参加する飲食店は、市が昨年5月に導入した地域ポイント事業「新居浜あかがねポイント」に加盟する約200店の中から、テイクアウトの弁当が作れる30店程度を予定している。
事前予約制で、毎日昼、各店は弁当を拠点に搬入。そこから2工場へ一括配送する。コロナ対策の一つとして、購入する社員は弁当代を、あかがねポイントで支払うキャッシュレス決済とする。
きっかけは、5食堂の調理室が送水管工事のため、約1か月間使えなくなることだった。ピンチを知った新居浜あかがねポイント事務局の日野美江子さん(49)が「住化の社員と地域の飲食店を結べば、お互いが喜べる」と思いついた。
5食堂では普段、昼食計約1000食が販売されているといい、残り600食は出入りの弁当業者や社員の持参、個人購入などで賄うという。
住友化学愛媛工場の総務部長高倉靖さん(56)は「地元の企業として、地域のお役に立てるのは喜び。飲食店に食材を卸している生産者の支援にもつながれば」と語り、日野さんは「コロナ禍でも、みんなが笑顔になれる取り組みを、これからも模索していきたい」と話している。
<新居浜あかがねポイント> 県内初の自治体主導型地域ポイント事業。市内の加盟店で買い物100円ごとに1ポイントが付くほか、ボランティア活動や健康診断の受診などでもポイントが加算される。