武生に外国人客の拠点

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「世界の武生を目指したい」と話す鷲田さん(越前市で)
「世界の武生を目指したい」と話す鷲田さん(越前市で)

 ◇ゲストハウスオーナー 鷲田 望さん 31

 JR武生駅(越前市)から徒歩5分のゲストハウス「Hostelホステル291フクイ」を一人で切り盛りする。2段ベッドが並んだ相部屋と和室で、定員7人という小さな宿だ。シャワー、トイレは共用と簡素だが、最安1泊2600円(税込み)に抑えた。「ここを海外旅行者の拠点にしたい」。昨年9月にオープンして以来、地元の魅力を発信する。

 「この辺りは、越前和紙や越前焼といった伝統工芸の産地。少し足を延ばせば越前海岸をはじめ、豊かな自然がありますよ」

 訪れた人には、生まれ育った故郷の見どころを熱く語り、何度も来たいと思える温かみのある宿を目指す。丹南地域を世界に発信しようと、ここを拠点にした外国人向けの周遊プランも構想中。「291」という宿名も、日本語が読めない外国人でも覚えやすいようにしたかったからだ。

 ◇

 世界を旅した経験が、宿を始める原点になっている。

 20歳代の頃、働いて貯金しては、バックパックを背負って1人でアメリカやアジアなど14か国を訪れた。宿は決まってゲストハウス。初めは節約目的だったが、「旅人同士なら生きた情報を交換できるし、気の合う人と出会うこともある」。

 例えば、ベルリンでは相部屋になったブラジル人女性と仲良くなった。「気になるドイツボーイがいるの」と恋愛相談を受けたことで“恋バナ”に花が咲いた。公園で一緒に日光浴したり、ナイトクラブで遊んだりと距離は一気に縮まった。

 「ホテルではできない交流がある」と醍醐だいご味を語るが、地元にはゲストハウスがない。「自分が作ればいい」と思い立った。

 家族とともに、手探りで開業準備した。母親が、築35年超だが、駅に近く状態が良い現在の物件を探し出してくれた。2017年10月に土地付きで購入し、建築士の父、大工の祖父の協力の下、改装を始めた。

 ◇

 オープンからしばらくは予約が入らないと覚悟していたが、レトロな建物の雰囲気を生かした部屋や、趣味のレコードを壁に飾りつけたフロントが「SNS映えする」と評判を呼んだ。昨秋の国体も好機となり、口コミで県内外から客が訪れる。地元の人も立ち寄りやすいようにと昨年12月からは雑貨や古着の販売、空きスペースでヨガ体験も始めた。

 「古里の可能性」を語る鷲田さんに心を動かされ、昨年、友人の内藤みきさん(31)がUターンしてきた。世界を旅してきた経験から、英会話講師をしながら趣味の写真を生かして魅力を発信したいという。「一緒に地元を良くしようと頑張っていける同志を見つけた。私も自分ができることで盛り上げたい」と背中を追う。

 22年度末には北陸新幹線金沢―敦賀間が開通し、越前市には新駅ができる。「追い風が吹いている。インバウンド(訪日客)需要を取り込みたい」と意気込む。新しい旅は始まったばかりだ。(高木文一)

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57897 0 人あり 2019/01/21 05:00:00 2019/01/21 13:37:22 「世界の武生を目指したい」と話す鷲田さん(越前市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190120-OYTAI50003-T.jpg?type=thumbnail

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