競技かるた 街沸かす

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ちはやふるinあわら コラボで集客

 「関西の奥座敷」と呼ばれる県内有数の観光地「あわら温泉」(あわら市)。老舗旅館が立ち並ぶ情緒あふれる温泉街だが、この30年間、バブル景気崩壊や海外旅行ブームで利用は伸び悩み、客層も高齢化していた。観光関係者は、人気漫画・アニメ「ちはやふる」の作品の舞台になったことに着目し、「若者を呼び込む起爆剤に」と声優を招いた関連イベントなどを開催。温泉街を盛り上げようと工夫を凝らす。(西平大毅)

盛衰

 市によると、あわら温泉の始まりは約140年前。農業用水確保のために掘った井戸から湯がわき、数軒の温泉宿が開業し、次第に温泉街を形成した。1911年に国鉄三国線が開通すると、関西などから多くの人が足を運ぶ人気スポットに。舞や唄を披露する芸妓たちの姿で街はにぎわった。

ピーク時から大幅に客足が遠のいている温泉街(あわら市で)
ピーク時から大幅に客足が遠のいている温泉街(あわら市で)

 宿泊客数のピークは、バブル景気最終盤の91年の約138万人。その後の景気後退で、宴会や社員旅行での利用が激減し、客足が遠のいたことで旅館が相次いで廃業して、さらににぎわいが失われていった。宿泊客は、2011年には約70万人まで落ち込んだ。

聖地

 観光が主産業のあわら市。「なんとかして首都圏から若者を呼び込みたい」と目を付けたのが、競技かるたに打ち込む高校生らを描いた「ちはやふる」。あわら出身で福井弁をしゃべるキャラクターが、主人公に競技かるたの魅力を伝える重要な役回りで登場し、作中ではJR芦原温泉駅など市内の風景がリアルに描かれていた。

 14年からアニメの声優を招いたトークショーを行ったり、作品の舞台を巡る「聖地巡礼」と呼ばれるツアーを企画したりしたところ、「ファン同士が語り合えて楽しい」「あわらの人たちの温かさを感じた」などと好評で、15年の宿泊客数は92万4600人と前年を14.4%上回った。特に、関東からの宿泊客は6割以上増加。詳細な調査はないものの、若者の姿も多かったという。

次の一手

コラボイベントでオリジナルメッセージを視聴する声優の瀬戸麻沙美さん(2019年11月、あわら市で)
コラボイベントでオリジナルメッセージを視聴する声優の瀬戸麻沙美さん(2019年11月、あわら市で)

 その後も、作者・末次由紀さんの原画展を開催したり、アニメの登場人物16人のオリジナルメッセージを市内各所で聞ける企画を実施したりと積極的にコラボイベントを展開。「ちはやふるの街・あわら」は定着しつつある。

 一方、関係者は「一過性で終わらせてはいけない」と、すでに「次」を見据える。その一手となるのが、競技かるたの全国大会だ。同じく「ちはやふる」の聖地とされる大津市、全日本かるた協会の本部がある東京都文京区と協力して、来年にも開催する予定だ。

 各地から集まった選手が温泉宿で熱戦を繰り広げ、その魅力をさらに大きく発信していく――。大会の準備を進める、あわら市観光振興課の竹内優美さん(34)は「ちはやふるがきっかけで、全国の人たちが何度もあわらに足を運んでくれてうれしい。今後は『競技かるたの街・あわら』としても知られるようになりたい」と話す。

原作2500万部超 アニメや映画も

 競技かるたのクイーン(日本一)を目指す東京の女子高生・綾瀬千早あやせちはやが主人公。小学生の頃、福井から一時転校してきた綿谷新わたやあらたと対戦したことがきっかけで、競技かるたにのめり込み、仲間と部活動を始めたり、ライバルと競い合ったりしていくストーリー。

 かるたと向き合えなくなる事態に直面した新を心配し、千早があわら市を訪ねるシーンなど、県内の風景が作中にしばしば登場する。連載初期の担当編集者があわら出身で、作者に提案したのだという。

(c)末次由紀/講談社・VAP・NTV Huluで配信中
(c)末次由紀/講談社・VAP・NTV Huluで配信中

 講談社の漫画雑誌「BE・LOVE」で現在も連載中。単行本は45巻まで発行され、累計発行部数は2500万部を超える。2009年にはマンガ大賞を受賞。テレビアニメは3期にわたって放送されて人気を博したほか、女優・広瀬すずさん主演の映画も製作された。

 ニュースをわかりやすく伝える「New門@福井」。11月は「ちはやふるinあわら」をテーマに連載します。

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1626490 0 New門@福井 2020/11/15 05:00:00 2020/11/15 05:00:00 2020/11/15 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201114-OYTAI50004-T.jpg?type=thumbnail

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