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図案くっきり 職人の感性

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めがねのまち鯖江 試作屋

 鯖江の眼鏡業界には「試作屋」と呼ばれる人たちがいる。新しい眼鏡の試作品作りを専門に手がける職人で、市内に20人ほどしかいない。

 眼鏡フレームは、デザイナーの図案が、そのまま製品化されるわけではない。斬新で美しいデザインも量産が困難であれば、商品にならない。失敗のリスクを最小限にするため、メーカーはまず、試作品を見て、量産するかどうかを判断する。

眼鏡枠を手作業で丁寧に削る「試作屋」の畑中さん(いずれも鯖江市で)
眼鏡枠を手作業で丁寧に削る「試作屋」の畑中さん(いずれも鯖江市で)

 若手試作屋の畑中康輔さん(38)の工房「オショー・ハンドワークス」(鯖江市杉本町)を訪ねた。手作業で一貫生産できる数少ない職人の一人。ねじ以外は自作だという。

 作業場には、部品を削る彫刻機、バフ台と呼ばれる研磨機などの機材が並ぶ。1日14時間こもりきりの日もある。

 20年前、眼鏡枠製造会社に就職。試作屋としての腕を磨き、9年前に独立した。

 持ち込まれるのは図案で、「説明書があるわけでもないし、作り方も決まっていない」試作屋の世界では、自らの感性が頼みだ。

 「『任せた』と言われる仕事は面白いけど、自由にできる分、考えなくてはならない。しんどい時もありますね」と笑う。

 時には、見た目優先で、量産に向かないデザインが持ち込まれることもある。そんな時でも、デザイナーのイメージを壊さないように注意を払いながら、部品に厚みを出して強度を上げるなどの工夫を凝らす。

 完成した試作品を見てメーカーが、製品化を断念する場合もあれば、「とりあえず、作ってみて」という発注から、製品が世に出ることもある。

 紙という「平面」に描かれたデザイン画が、畑中さんの手にかかると、魔法のように、形を持った「立体」に変わっていく。黙々とフレームを削る職人の指先に、もの作りの神髄を見た気がする。

「プレス」「調子取り」・・・工程分業

 眼鏡作りは工程の多くが分業で進められ、鯖江には様々な事業所が集積している。

 250以上の工程があるとされるチタン製フレーム。チタンを金型に入れて曲げたり切ったりする「プレス」や、機械での研磨、手磨きの作業のほか、テンプル(アーム)の開き具合などを最終調整する「調子取り」と呼ばれる工程もある。

材料商社「ユニックス」のプラスチック見本
材料商社「ユニックス」のプラスチック見本

 「ユニックス」(鯖江市神中町)は、プラスチックやチタンなどを扱う材料商社。フレームに使うプラスチック板を0.1ミリ単位で削り、厚みの異なる板を作る。社内には3000種類のプラスチック見本をそろえる。デザイナーが色や柄などイメージに合った材料を選びに訪れるという。

様々な種類の刃でフレームを削り出す「プラスジャック」の作業場
様々な種類の刃でフレームを削り出す「プラスジャック」の作業場

 また、テンプル製造から眼鏡枠メーカーに発展した「プラスジャック」(同市御幸町)は、アセテートなどのプラスチック素材を専門に手がける。14種類の刃があるカッターを駆使してフレームの削り出しを手がける。培った技術を生かし、アクセサリーの製造・販売も手がけている。

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1860761 0 New門 2021/02/23 05:00:00 2021/02/23 05:00:00 2021/02/23 05:00:00 手作業で眼鏡枠を削る畑中さん(鯖江市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210222-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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