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めがねのまち鯖江 新たな潮目

ボストンクラブ直営店2階にある「ジャポニスムミュージアム」。自社ブランド「ジャポニスム」の歴代モデルが展示されている(鯖江市で)
ボストンクラブ直営店2階にある「ジャポニスムミュージアム」。自社ブランド「ジャポニスム」の歴代モデルが展示されている(鯖江市で)
パソコン画面を通して商談が行われたオンライン展示会「SAN/CHI2021」(鯖江市で)
パソコン画面を通して商談が行われたオンライン展示会「SAN/CHI2021」(鯖江市で)

 額縁状のケースに、1点ずつ収まった眼鏡がずらりと壁に並ぶ。まるでアート作品を見ているようだ。

 鯖江市の眼鏡メーカー「ボストンクラブ」の直営店2階にある「ジャポニスムミュージアム」。白を基調にしたモダンな空間に、同社が製作した眼鏡を展示している。1階は販売コーナーになっている。

 かつては、鯖江のメーカーが製造した眼鏡枠は、卸売業者を介して、小売業者に販売されるのが通常のルートだった。しかし、2000年頃から直接販売に乗り出すメーカーも出てきた。17年、鯖江市内の本社の隣接地に直営店を出したボストンクラブもその例だ。

 地域特有の製品や工場見学などを目当てに旅行する「産業観光」を視野に入れた取り組みで、客の半数は県外からの訪問者だという。

 小松原一身社長は「今、売り方が急速に変わってきている。変化をただ見ているだけでは、遅れてしまう」と危機感を抱く。

 部品メーカーが、完成品作りに乗り出し、直接販売を手がける例もある。

 眼鏡用ねじを作っていた西村プレシジョン(鯖江市)は、08年のリーマン・ショック後に受注が減ったため、12年に眼鏡作りに転換。折りたたむと厚さ2ミリになる老眼鏡「ペーパーグラス」がヒット商品になった。

 飛山昌久統括本部長は「最初は周囲に『下請けのお前らが何で完成品を売るんだ』と言われ、売り先もなかった。クラウドファンディングで市場を探り、インターネット販売から始めた」と振り返る。現在では東京、大阪など9か所に直営店を展開する。

 1月14日には、鯖江商工会議所でオンライン展示会「SAN/CHI2021」が開かれ、7社が参加。オンラインで商品を売り込み、商談を進めた。新型コロナウイルスの影響で、業者が一堂に会する展示会、受注会の中止が相次ぐなか、逆境をチャンスに変える試みだ。

 県眼鏡協会も、新しい形式の受注会を模索している。産地全体を展示会場に見立てて、それぞれの工場を「商談の場」にするスタイルだという。

 「眼鏡作りの街」は今、「眼鏡を作って売る街」に変容しつつある。製造現場を見て、職人と対話しながら新製品を注文する。そんな商談が、〈鯖江流〉として定着する日はそう遠くないだろう。(おわり)

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1862327 0 New門 2021/02/24 05:00:00 2021/02/24 05:00:00 2021/02/24 05:00:00 ボストンクラブ直営店2階にある「ジャポニズムミュージアム」(鯖江市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210223-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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