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核分裂の熱を利用

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美浜3号機の再稼働の様子が映し出されたモニター(6月23日、美浜町で)
美浜3号機の再稼働の様子が映し出されたモニター(6月23日、美浜町で)

電気はどうやって作るの?

 運転開始から40年を超えた関西電力美浜原子力発電所3号機(美浜町)は、6月23日に再稼働しました。原発はどのように電気を作るのか、調べてみました。

 Q・仕組みは?

 原発は、核燃料のウランが核分裂して発生した熱で水蒸気を生み出し、タービンを回して発電しています。

 核分裂とは、ウランの原子核が「中性子」という小さな粒を取り込んで分裂することで、この際に生じた大量の熱が発電に使われます。分裂したウランからは新たな中性子が飛び出し、周囲のウランにぶつかって次の核分裂を引き起こします。やがて、この連鎖反応が安定して続く「臨界」に達します。

 美浜3号機は加圧水型と呼ばれるタイプの原発です。原子炉の中で、核分裂の熱は高い圧力をかけた水に伝わり、水温は約300度にもなります。この水が別の管を通る水を蒸発させてタービンを回すのです。原子炉を通る水には放射性物質が含まれますが、タービンを回す蒸気には含まれないため、安全に管理しやすいとされています。

 Q・再稼働とはどういう意味?

 美浜3号機で6月23日、担当者が中央制御室のタッチパネルを操作している様子をニュースで見た方もいるかと思います。

 この操作で、原子炉内で中性子を吸収してウランの核分裂を抑える「制御棒」が引き抜かれていき、分裂し始めます。これが再稼働で、「原子炉の起動」とも言います。美浜3号機では23日午前、約30本の制御棒を引き抜く作業が始まり、大半が抜かれた後の24日未明に臨界に達しました。

 もう一つの意味もあります。

 2011年の東京電力福島第一原発事故後、国内の全原発が運転を止めました。電力事業者は原発を運転するため、安全対策を強化。国が新たに定めた厳しい基準「新規制基準」をクリアし、立地自治体の同意を得ました。一連の手続きを経た原発が再び起動することを再稼働と呼びます。

 Q・いつ電気を送るの?

 再稼働してもすぐに電気は作れません。臨界に達した後、蒸気でタービンを回し、1分間で1800回転まで上げてから発電を開始。周波数を送電網の数値(関電は60ヘルツ)に合わせて、送電を始めます。

 美浜3号機での送電開始は臨界に達してから5日後の6月29日でした。今も定期検査中で、「調整運転」と呼ばれる状態です。原子力規制委員会のチェックをクリアすれば、7月27日にも営業運転に入ります。(長沢勇貴)

 ◎この連載は随時掲載します。

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2222442 0 教えて!原発 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00 プレスセンターのモニターに映し出された中央制御室の再稼働の作業(23日午前10時、美浜町で)美浜3号機の再稼働の様子が映し出されたモニター(23日午前、美浜町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210720-OYTAI50015-T.jpg?type=thumbnail

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