幼魚の頭部に「天使の輪」

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海藻の上で揺れるサクラダンゴウオ(越前町沖の水深18メートルで)
海藻の上で揺れるサクラダンゴウオ(越前町沖の水深18メートルで)
体の色は赤や黄色などをしている
体の色は赤や黄色などをしている
頭部には「天使の輪」がある
頭部には「天使の輪」がある

 勇壮な岩場が続く越前海岸、穏やかな入り江が点在する若狭湾。福井県が面する日本海は豊かな表情を見せ、様々な生き物を育む。季節によって異なる光景を、かかわる人たちの思いとともに紹介する。

 今月初め、越前町沖の日本海に潜った。水深18メートルの海底付近。ダイビングコンピューターが示す水温は、11・6度だ。ドライスーツ越しに、海水の冷たさがじわじわと伝わってくる。目を凝らすと、米粒ほどの小さな魚が海藻に揺れていた。

 オタマジャクシのような形をした「ダンゴウオ」。沿岸の海域では例年、海水温が低いこの時期に、おなかの吸盤で海藻にくっついているのを観察できる。卵からかえったばかりの幼魚には、頭部に白い環状の模様「天使の輪」がある。成長とともに輪がなくなり、やがて水温が高まると、姿を見かけなくなる。

 ダンゴウオは太平洋側にも生息している。日本海側で見つかる魚は2017年、日本と韓国の研究者らによる論文で、太平洋側とはDNAなどが異なる新種と明らかにされた。「サクラダンゴウオ」と命名。研究に参加した京都大舞鶴水産実験所(京都府舞鶴市)の甲斐嘉晃准教授(魚類分類学)によると、「桜が咲く季節に見られるから」。生態にはまだ解明されていない点も多いという。

 越前海岸には、この時期にしか出会えない姿をカメラに収めようとダイバーたちが訪れている。マクロレンズで近づくと、砂粒が舞う中、「天使の輪」がはっきりとわかる。時折、尾びれを曲げたり、伸ばしたり。愛らしい姿に、しばし見とれた。(文と写真 斎藤孔成)

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2926166 0 越前若狭の海 2022/04/16 05:00:00 2022/04/16 05:00:00 2022/04/16 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220415-OYTAI50022-T.jpg?type=thumbnail

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