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    自分でリノベ 空き家再生

    • 「セルフリノベーション」を行う前の和室(鯖江市で)
      「セルフリノベーション」を行う前の和室(鯖江市で)
    • 北欧風に変身させた部屋で、感想を述べ合うワークショップの参加者ら(鯖江市で)
      北欧風に変身させた部屋で、感想を述べ合うワークショップの参加者ら(鯖江市で)

     

     ◇経費かけずに間取り一新

     ◇鯖江の不動産会社など 資材提供や売買仲介も

     全国的に増えている空き家対策で、買い手がつきにくい中古物件について、所有者がリノベーションを行って魅力を高める取り組みが、鯖江市で始まった。DIY(日曜大工)による再生に向け、資材提供から管理、仲介までを、ひとつの窓口で受け付ける。関連企業が協力した取り組みで、関係者は「この仕組みを全国に広めていきたい」と話している。(内田郁恵)

     総務省の住宅・土地統計調査によると、2013年の空き家(賃貸、売却用を除く)の総数は318万戸と、20年前の約2倍に。空き家率は5・3%で、相続した物件が半数以上を占めるという。県内は7・3%に達している。

     まだ住める物件でも、昔ながらの間取りが理由で買い手が付かず、業者にリフォームを頼んでも数百万円以上かかるため、放置されているケースは少なくない。防犯、防災、景観面などからも問題となっている。

     そこで、鯖江市内にサテライトオフィスを置く、不動産情報サービス大手の「LIFULLライフル」(東京都)など4者でつくる「住民参加型空き家魅力UP協議会」が、<経費100万円でできるリノベーション>を提案した。プロの手は最小限に、大部分をDIYでまかなうのが特徴だ。

     床張りなどのDIY用材を開発する「KUMIKIクミキ PROJECTプロジェクト」(神奈川県)が、地元不動産会社「白い雲不動産」(鯖江市)が管理する物件の所有者に資材を供給。完成した物件の情報はライフルがインターネットで公開し、3D画像を活用した「オンライン内覧」もできるようにする。取り組みは国土交通省の今年度の空き家利活用モデル事業に選定された。

     10月下旬には、鯖江市内の築49年、木造2階建ての空き物件で「セルフリノベーション」のワークショップを開催し、市内外から約30人が参加。6畳の和室2部屋を12畳の北欧風の洋室に変身させるなどした。

     和室の壁を取り除き、県産スギ材の床を張り、壁にしっくいを塗った。壁の撤去や床の下材張り以外は参加者が行ったため、総工費は100万円以内。電動工具を使うのも初めての参加者も多かったが、クミキプロジェクトや工務店などプロの助言を受けながら、当初の予定通りに完成させた。

     この物件を親から相続した所有者の女性(53)は「昭和の住宅がここまで変われば、住んでみたいと思う人が出てくるはず」と期待を寄せた。築150年の古民家を改修予定という福井市新田塚、主婦五十嵐洋子さん(62)は「『自分で床や壁まで直すのは無理』と思っていたが、やればできると自信になった」と話した。

     協議会は今後、所有者からの相談を受けながら、セルフリノベーション物件を増やしていきたいとしている。事務局で地元企業支援などを行う「地域事業主わどう」(鯖江市)の山岸充代表は「空き家の再生、価値向上における全国のモデルケースとなれば」と話している。

     <リノベーション>既存の建物を工事し、新築時よりも価値を高めること。デザイン性を高めたり、ライフスタイルに合わせて間取りや内外装を変えたりすることなどが含まれる。老朽化した部分を新品に交換する「リフォーム」とは異なる。

    2018年11月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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