<外国人材@福井>越前町漁協 貴重な戦力

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 ◇かに漁船 半数以上で作業

 今春から受け入れ拡大が始まる外国人材。県内では製造業を支えるイメージが強いが、福井を代表する冬の味覚「越前がに」の漁や市場でも、外国人実習生らが活躍している。現場を歩き、実習生や受け入れ先の声を聞いた。(大川哲拓)

 越前町漁協では、約10年前から外国人材の受け入れを始め、今では欠かせない戦力となっている。漁協によると、昨年末時点で59人のうち、58人がインドネシア人。昨年末には、初めてベトナム人1人を受け入れた。漁協に所属する底引き網漁船49隻中、半数以上の25隻に外国人が乗っているという。

 福井労働局によると、県内の外国人労働者は2014年の5363人から、4割以上増え、7770人(17年10月末時点)だった。

 産業別にみると、受け入れ先は、14年から17年にかけ様々な業種に広がった。「農業・林業・漁業」は、構成比は約1%に過ぎないものの、人数は56人から105人と2倍近くになった。

 トップの「製造業」の人数は横ばいだが、構成比が約66%から約46%に低下。その間、「サービス業」の人数は4倍近く増え、構成比は約11%から約30%となっている。

 国籍別では、中国、ブラジルが約30%、次いでベトナムが約17%を占める。インドネシアは約3%となっている。

     ◇

 <実習生や受け入れ先に聞く>

 ◇かわいい妹のために

 ◇底引き網漁船「高砂丸」インドネシア人実習生 エディ・クスデヤントさん 24

水揚げしたカニを漁船から運び出すエディさん
水揚げしたカニを漁船から運び出すエディさん

 1月中旬の午前7時、朝霞あさがすみが立ちこめる越前町の厨漁港。白い息を吐きながら、船のタンクから京都府沖でとれた約100匹ほどの生きのいいカニを、手際よくコンテナに移していく。

 ジャワ島中部のテガル市出身。高校を卒業後、バイク修理の仕事に就いた。妹(12)の将来の学費などを稼ぐため、2016年6月に来日。荒波に慣れず、最初の1年間は、船頭に分からないよう物陰に隠れて嘔吐おうとしていた。寒くて手もかじかむが、「大変な仕事だけど、かわいい妹のためなら頑張れる」という。月給の半分以上の約8万円を実家に仕送りしている。

 イスラム教徒で、港近くの寮では、1日5回、床に礼拝用マットを敷いて、メッカの方向へ祈りをささげる。船上では、礼拝の時間が取れないが、いつも心の中でお祈りしているという。

 3年間の在留期限を迎える夏の前に、故郷に帰らないといけない。外国人材の受け入れ拡大策に期待しており、「おいしいカニを取る仕事を、もうちょっとやりたかった。福井の人たちも優しくて寂しいので、もっと続けたい」と言う。

 「高砂丸」船頭の高矢孝祐さん(60) 「同郷の後輩に、網の巻き方などを手取り足取り指導する姿を見ると、うれしいです。せっかく成長したのに、たった3年で帰ってしまうのが残念です」

 ◇いつか家族も福井へ

 ◇水産物卸「かねいち水産」 中国人実習生 付元芝(フエンシー)さん 31

 「■蟹是●里的(このカニどこの?)」。1月上旬の朝9時、カニがずらりと並んだ越前漁港で、競り人らのかけ声に交じって、同僚に卸先がどこかを尋ねる中国語が響いた。競り落としたカニの甲羅をつかみ、感触だけで身が詰まっているかなど品質を瞬時に判断。次々と仕分けて、卸先の旅館や鮮魚店ごとに箱詰めしていった。

 2013年に初めて来日。かねいち水産に3年間いたが、在留期限を迎えたためいったん中国に戻った。17年に技能実習法が施行され、通算5年間滞在できるようになり、「優しいみんなと、もう一回働きたい」と昨年11月、さらに2年間働く予定で古巣に帰ってきた。今では同僚と、後輩9人のまとめ役を担っている。

 選別作業は熟練した技量が必要で、「実習生の中では、フーちゃんくらいしかできない」と日本人従業員らは太鼓判を押す。3年目の李丹リタンさん(27)が「優しく教えてくれてかっこいい」と話しかけると、隣で照れ笑いを見せた。

 現状では、家族帯同での来日は認められておらず、故郷の山東省には、8歳の娘と夫らを残す。たまに家に帰った時の娘の笑顔が元気の源というが、「やっぱり寂しい。ちょっとだけね。一緒に住めるなら、それが一番」と話す。受け入れ拡大策が進んで、いつか家族と一緒に福井に働きに来る日を待ち望む。

 「かねいち水産」社長の中橋睦男さん(67) 「皆を束ねる姿を見て、頼もしく思っています。政府の方策でフーちゃんのような即戦力がどんどん増えれば、とても助かります」

■は虫へんに旁

●は口へんに那

57176 0 ニュース 2019/01/19 05:00:00 2019/01/21 14:11:07 2019/01/21 14:11:07 水揚げしたカニを漁船から運び出すエディさん(越前町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190119-OYTNI50005-T.jpg?type=thumbnail

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