原子力共生など充実20年

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 山口・美浜町長 勇退

 国道バイパス整備尽力

任期中の出来事を振り返る山口町長(美浜町で)
任期中の出来事を振り返る山口町長(美浜町で)

 5期20年にわたって務めてきた山口治太郎・美浜町長(75)が6日に退任する。原子力発電の推進を掲げ、国道バイパスなどの整備や産業振興に取り組んできた在任中の出来事や今後の課題を聞いた。(藤戸健志、三浦孝仁)

 ――主に取り組んだことは。

 前町長が病気で退任し、助役だった私が引き継いだ。当時、町民の生活圏の敦賀市まで、朝の通勤時間帯で1時間近くかかった。前任から引き継いで取り組んだのが国道27号美浜東バイパスの整備だった。国に要望し、2009年3月に全線開通し、今は敦賀市まで20~30分で着ける。嶺南の市町が一緒になってJR小浜線の電化も成り、舞鶴若狭自動車道も全線開通した。

 ――企業誘致などにも取り組んだ。

 松原産業団地を町単独で、若狭美浜インター産業団地を県の支援で整備した。住宅団地「美浜東『うまし野』ニュータウン」も造り、57区画のうち、3年で27区画を分譲できた。交通の便がよくなったからこそできたと思う。

 ――積み残した課題は。

 観光振興だ。田植えなどの体験観光に早くに取り組み、「へしこの町」を商標登録した。ただ、全体の方向性を描く町観光振興計画ができたのは14年3月と少し遅れた。「三方五湖」、「新庄の山里」、「敦賀半島西海岸」の3ゾーンに分けた観光振興は、後任に託すことになる。

 ――04年には関西電力美浜原発3号機の配管破損事故もあった。

 出先で会合中の午後4時頃、「発電所で(放射性物質を含まない)2次系の蒸気漏れがあり、死傷者が出ている」と一報を受けた。すぐに現場に向かい、午後8時頃にタービン建屋に入って、配管の破れた箇所を見た。死者も出て、非常に大きな事故だと思った。

 関電に再発防止を強く求め、事務職と技術職が一組で町民を全戸訪問するよう求めた。今も訪問は年2回、続いている。国には万一の防災対策に向け、敦賀半島を横断する道路の整備を求め、トンネルが通った。

 ――東京電力福島第一原発事故後、国の原子力政策も大きく変わった。

 大変な事故だが、原子力の必要性は変わらない。太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの供給は不安定で、電気料金も高い。

 美浜1、2号機は廃炉となり、3号機は来年夏に再稼働してもあと十数年しか動かせない。町民の多くはリプレース(建て替え)を求め、私も議会と一緒に国に要望してきた。3号機が動いている間に新しい炉を稼働させたかった。

 ――今後の課題は。

 人口減が一番大きな課題だ。試算では町人口は40年には8000人を切る。上下水道やCATV、ゴミ収集など様々な生活インフラを維持していくには、税金が高くなってしまう。国の支援がないと難しい。

 ――最後に一言を。

 次期町長の戸嶋秀樹・前副町長は、原子力との共生など私の主な政策は引き継ぎ、前進させていくと言ってくれており、非常にうれしい。町内も知ってくれており、1期目からフルスピードで走れる。行政と町民の「協働」をさらに進めていってほしい。

474491 1 ニュース 2019/03/06 05:00:00 2019/03/06 05:00:00 2019/03/06 05:00:00 任期中の出来事を振り返る山口町長(美浜町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190305-OYTNI50043-T.jpg?type=thumbnail

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