〈再稼働の行方〉美浜町長 避難計画評価
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3号機可否判断へ 「要件一つ充足された」
美浜町の戸嶋秀樹町長は5日、関西電力美浜原子力発電所(美浜町)の重大事故に備えて国や県などの協議会がこの日取りまとめた広域避難計画を評価し、運転開始から40年を超えた美浜3号機の再稼働への可否判断に向け、「大きな要件が一つ充足された」との考えを明らかにした。国の地域振興策なども確認した上で、最終判断する見通し。
戸嶋町長は「原発の防災は重要だ」として、判断材料の一つに広域避難計画の内容を挙げていた。
この日の協議会にテレビ会議システムで参加。その後の取材に対し、住民らの避難先を県内外で確保することなどが盛り込まれた計画について、「具体的で合理的だ。充実した内容になっている」と語った。
今後、国や関電の支援策などを確認し、可否を判断する見通し。判断の具体的な時期は明言を避けた。
美浜3号機は2011年から停止中。関電は、昨年9月に安全対策工事を終え、今月に再稼働する計画を示しているが、再稼働には戸嶋町長と杉本知事の同意が必要とされている。
杉本知事は、判断の前提として、原発の使用済み核燃料を一時保管する「中間貯蔵施設」の県外候補地を昨年中に示すよう求めていたが、関電は提示できなかったため、「(地元同意の)議論を始めることはできない」としている。