ツシマヤマネコ積極繁殖 福岡市動物園

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 国の天然記念物ツシマヤマネコの繁殖に取り組む福岡市動物園が10月中旬から今月中旬にかけ、飼育していた10匹のうち5匹を全国各地の動物園などに移した。ネコを積極的に移動させて繁殖の実績を各地に広げ、個体数の増加につなげようという試みだ。飼育中のネコの半数を一時期に移送するのは異例という。

 市動物園によると、移動させたのは雄2匹と雌3匹。繁殖目的では、名古屋市東山動植物園、京都市動物園、よこはま動物園ズーラシアに0歳と1歳の雌、13歳(推定)の雄がそれぞれ移った。性成熟は2歳頃だが、雌は環境が変わってすぐに交尾をしないケースが多いため、早めに移動させた。

 残りの雌(12歳)は長崎県対馬市の「野生順化ステーション」で野生に戻すための検証に活用され、もう1匹の雄(4歳)は同市の「対馬野生生物保護センター」で展示される。

 福岡市動物園での飼育は、対馬と気候の差が小さく、交通の便がいいことなどから1996年に開始。2000年に初めて繁殖に成功した。

 その後、感染症などのリスク分散や繁殖目的で、06年に他施設への移動を開始。14年からは、市動物園も加盟する「日本動物園水族館協会」が国と結んだ協定に基づき、毎年冬から春の繁殖期前に1、2匹程度を移動させている。

 しかし、繁殖の成功例が市動物園に偏り、他施設では交尾に至らなかったり、赤ちゃんが生まれてもすぐに死んだりするケースが多いという。このため、国や各施設で個体数減少への危機感が共有され、今回の積極的な移動になった。

 市動物園の井之上尚文ひさふみ・飼育第2係長は「飼育中の個体は全国的に高齢化が懸念され、移動先で繁殖が成功すれば、遺伝的な多様性も生まれる。絶滅を防ぐため、今後も他施設と協力していきたい」と話している。

【ツシマヤマネコ】 夜行性で体重3~5キロ、体長50~60センチ。野生は長崎県・対馬にのみ生息しており、100匹弱と推定されている。道路建設などの開発による餌場の減少や交通事故で減少し、環境省のレッドリストで「絶滅危惧IA類」に指定されている。

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