自己注射薬の講習動画 福岡のNPO 食物アレルギー対処
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福岡市のNPO法人「福岡食物アレルギーネットワーク」が、アレルギーによるショック症状が起きた際に使う自己注射薬「エピペン」の解説動画を作った。例年は食物アレルギーを持つ子どもの保護者や教職員ら向けの講習会を開いているが、新型コロナウイルスの影響で軒並み中止となったためで、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。
同法人は食物アレルギーに関する知識の普及啓発に取り組んでおり、公開した動画は5本(約2~14分間)。アレルギーの専門医らが、エピペンに関する基本的な知識のほか、新型コロナとアレルギーの関係などについて説明している。このうちエピペンの使い方の解説動画では、柴田瑠美子理事長が手順を説明しながら実演する。
同法人や市教委によると、食物アレルギーを持つ子どもの数は近年、増加傾向にある。2019年度の調査では、市立学校に通う小学生の3%(2513人)、中学生の2・4%(852人)が何らかの食物アレルギーを持っていた。
一方、同法人は例年、教職員が異動する新年度当初の時期に合わせ、市内の小中学校に出向いてエピペンの使い方を教える講習会を開いているが、今年度は新型コロナ対策のため全て中止となった。このため、市の補助制度を活用して動画を作り、広く公開することにした。
動画は同法人のホームページから視聴できる。柴田理事長は「今年度の新任教員の多くは、エピペンに触れる機会がなかったのではないか。動画を活用して基本的な知識を身につけ、緊急時にも正しく対処できるようになっておいてほしい」と呼びかけている。