手作りおもちゃ 笑顔生む 中間・菊田さん 障害の子へ長年活動
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障害のある子どもらにおもちゃを安心して楽しんでもらいたい――。中間市太賀の菊田信子さん(76)は、布や木材で作った“ぬくもり”あるおもちゃや絵本を30年以上にわたり手作りしたり、披露したりする活動に取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響などで活動の機会は減っているが、「子どもたちの笑顔のために作り続けたい」としている。
菊田さんは1986年に受講した市が開いた福祉に関する講座で、障害児向けに作られたおもちゃが少ないことを知った。そこでともに受講していた市民ら約20人でグループ「なかまおもちゃライブラリー・ポッポ」を結成し、おもちゃ作りに励むようになったという。
市社会福祉協議会が運営する発達に問題を抱える子どもと親が通う「親子ひろばリンク」のスタッフと相談しながら、柔らかい布地や木材を使って、遊びながら学べるおもちゃのデザインを考えた。数字やひらがなを覚えるパズル、大型の布製絵本、大きな鬼の面に柔らかいボールを当てるゲーム――などを次々に作り、「リンク」で活用された。「子どもの笑顔が見たくて、メンバーが支え合い、愛情を込めて作り続けた」と言う。
菊田さんはグループの代表を長年務め、活動を引っ張ってきたが、体調がすぐれないこともあり、昨年3月にグループを解散した。一方、菊田さんは個人としての活動は継続。新型コロナの影響で活動機会は多くはないが、昨年12月には、市民図書館で開かれた「クリスマスおはなし会」で、人形を使った劇を披露し、子どもたちを喜ばせた。菊田さんは「子どもたちの笑顔が元気の源。コロナが収束し、たくさんの笑顔に会える日が待ち遠しい」と話している。