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戦地から絵手紙や書簡 嘉麻で企画展

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伊藤さんが家族との思い出を描いた絵手紙
伊藤さんが家族との思い出を描いた絵手紙
堀田さんが谷田さんに送った絵手紙
堀田さんが谷田さんに送った絵手紙

 太平洋戦争で戦死した兵士2人が、戦地から家族らに送った絵手紙や書簡を紹介する企画展「満州・沖縄 戦地から思いを込めて」が、嘉麻市上臼井の織田廣喜美術館で開かれている。

 2人の兵士は、福岡市の 提灯ちょうちん 職人・伊藤半次さんと、滋賀県に婚約者を残していた堀田熊雄さんで、いずれも満州(現中国東北部)に出征した。その後、伊藤さんは沖縄戦で戦死。堀田さんは満州から南方の戦地に艦船で向かう途中、撃沈されて死亡した。

 伊藤さんは妻と子ども3人、義母と暮らしていたが、1940年に召集され、満州へ。提灯の絵付けで学んだ日本画の技術を生かし、現地での軍隊生活や、妻子との思い出などを絵手紙にしたため、家族に送り続けた。45年6月に32歳の若さで戦死するまでに送った便りは約400通(うち絵手紙は約100通)にのぼり、現在は孫の博文さん(52)(福岡市早良区)に引き継がれている。

 堀田さんの便りは、広島県府中町の谷田悦子さん(92)が保管してきた。谷田さんは一番上の姉が堀田さんの婚約者だった縁で手紙をやり取りした。堀田さんの書簡の中には、3人姉妹が登場する「花に成った天使」と題した自作童話もあり、谷田さんは「私たちのことを書いたのではないかと思う」と話す。

 谷田さんは昨年夏、嘉麻市の碓井平和祈念館で伊藤さんの絵手紙展が開催されたことを知って博文さんに連絡を取り、「多くの人に見てもらい、平和教育に役立ててほしい」と絵手紙や書簡を託した。公開するのは今回が初めてという。

 企画展では、堀田さんの童話を基に描かれたイラストなどを含め、約300点を展示。博文さんは「戦争によって前途ある多くの命が奪われた。絵手紙などを通して、平和の大切さを考えてもらえれば」、谷田さんは「終戦の日が来るたびに、熊雄さんのことを思い出す。戦争は二度と繰り返してはならない」と話している。

 8月29日まで。関連イベントとして今月10日午後1時から、嘉麻市立下山田小学校白馬ホールで、博文さんの講演会と堀田さんの童話朗読会が開かれる。定員100人。聴講希望者は事前に申し込む(先着順)。

 入場には、織田廣喜美術館(月、火曜休館)の入館料(一般330円、高校・大学生220円、小中学生110円)が必要。問い合わせは嘉麻市教委生涯学習課文化財係(0948・62・5720)へ。

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2184690 0 ニュース 2021/07/07 05:00:00 2021/07/07 05:00:00 2021/07/07 05:00:00 家族を思い出して伊藤さんが描いた絵手紙 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210706-OYTNI50033-T.jpg?type=thumbnail

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