湧水ヤマメ 東峰村特産に 住民が3セクと連携し養殖 豪雨被害に危機感

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岩屋湧水が注ぎ込む水槽でヤマメの成長を確認する梶原さん
岩屋湧水が注ぎ込む水槽でヤマメの成長を確認する梶原さん

 2017年7月の九州北部豪雨で被災した東峰村の住民らが、地元の「岩屋湧水」でヤマメの養殖に成功した。村内を走るJR日田彦山線は被災後に一部不通となったが、JR九州が初めて導入するBRT(バス高速輸送システム)により23年にも復旧する見通し。被災者らは村の第3セクターと連携してヤマメを新たな特産にし、「BRTで訪れる観光客らをもてなしたい」と意気込んでいる。

 村などによると、湧水は1939年、同線・筑前岩屋駅近くの釈迦岳トンネルの工事中に出水し、湧水量は1日約1万5000トン。2008年、環境省の「平成の名水百選」に認定された。同駅前の給水機では30リットルが100円で販売され、16年度は延べ約4万5500人が利用した。

 豪雨では村民3人が犠牲になり、日田彦山線は村内の全区間などが不通となった。給水機の年間利用者は17~20年度、延べ1万人台に低迷。自宅や農地に土砂が流入した地元の農業、梶原寛暢さん(41)は「故郷が滅んでしまう」と危機感を抱き、仲間と湧水を活用した魚の養殖を思いついた。

 朝倉市の県水産海洋技術センター内水面研究所に相談したところ、湧水の水温は一定して17度で酸素が豊富に含まれ、ヤマメの養殖に適していることが判明した。そこで県の補助金を活用して水槽や配管をそろえ、同駅近くの棚田に養殖場を開設。昨年10月、研究所から幼魚約200匹を提供してもらい、育て始めた。

 当初、ヤマメは警戒して餌を食べなかったが、研究所の助言を参考に、姿を見せないように離れて餌を投げ与えたところ、食べ残しが減少。今年6月には全長50センチほどに育ち、約150匹を水揚げした。現在、県内の食品会社に缶詰の製造を委託しており、「岩屋湧水ヤマメ」などと名付けて9月にも販売したい考えだ。

 梶原さんらは今月5日、新たに稚魚約1000匹を仕入れた。今後は水槽を増設し、村の第3セクター「宝珠山ふるさと村」と連携して本格的に養殖する方針。

 梶原さんは「湧水はまるで魔法の水。高品質なヤマメを育て、よそにはない郷土の味を提供したい」、ふるさと村の大坪勝二専務は「湧水の魅力をアピールする新たな特産に育てたい」と話している。

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