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定点観測連載「いま ここから」

[大熊町大川原 10月] 沖縄と交流 育む共感

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今年の種を手に取る鈴木さん(1日、大熊町役場で)
今年の種を手に取る鈴木さん(1日、大熊町役場で)

 大熊町で夏に咲いたヒマワリの種を沖縄に運び、冬に咲かせる。原発事故の年に始まった交流も、今年で10回目を迎えている。

 呼びかけ人は「福島・沖縄絆プロジェクト」の副理事長でいわき市出身の鈴木伸章さん(73)(沖縄県浦添市)だ。航空自衛隊員として配属された沖縄が気に入り、そのまま移り住んで47年になる。今月1日、5キロ・グラムの種を受け取りに町役場を訪れ、「今年もきれいな花を咲かせてくれそうだ」と笑顔を見せた。

 ヒマワリには放射性セシウムを吸収する効果がある。そんな仮説が事故直後に持ち上がり、2011年、検証のために各地で植えられた。しかし、9月に花が咲き終わってみると、除染効果はほとんどないことが判明した。

今夏も大輪の花を咲かせたヒマワリ(8月12日、大熊町大川原で)
今夏も大輪の花を咲かせたヒマワリ(8月12日、大熊町大川原で)

 土壌汚染の救世主と目されたヒマワリの種がたくさん余っている、と聞いた鈴木さんはひらめいた。「福島の種を温暖な沖縄で栽培すれば、人の交流も生まれるかもしれない」。大熊町社会福祉協議会にいた知人に相談し、最初の年は3キロの種を譲り受けた。

 沖縄のヒマワリは冬でも咲く。2月の浦添市のウォークイベントに合わせて沿道に植えると、見事な花をつけた。翌年以降は糸満市や北中城村きたなかぐすくそんからも「福島の種を使いたい」と申し出があり、保育園児や役場職員らが種を植える光景は、地元でもおなじみになった。

 双方向の行き来も活発になっている。大熊で花を育てている有志たちは毎年のように沖縄を訪問。18年には北中城村のボランティア団体が大熊町いわき出張所を訪れ、伝統のエイサーを披露した。昨夏は村の小学生9人が体験旅行の一環で大川原のヒマワリ畑などを見学していった。

 5年ほど前だろうか、しばらく流通していなかった福島県産のコメや野菜を地元・浦添のスーパーで見かけるようになった。放射能の不安を訴える声も今はほとんど聞かれず、被災地を支えたいという空気を感じる。鈴木さんは言う。「沖縄は太平洋戦争で苦しい思いをした。だから、似たような苦しみを経験している福島の気持ちがよく分かるのでしょう」(鞍馬進之介)

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1572831 0 いまここから 2020/10/22 05:00:00 2020/10/22 05:00:00 2020/10/22 05:00:00 大熊で育ったヒマワリの種を確認する鈴木さん(10月1日午前11時4分、大熊町役場で)=鞍馬進之介撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201023-OYTAI50013-T.jpg?type=thumbnail

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