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[葛尾村 1月] 村営塾 官民がタッグ

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 葛尾村には村営の塾がある。場所は村唯一の中学、葛尾中の教室だ。

 20日の放課後、授業の様子をのぞくと、講師2人が5人の生徒を教えていた。一人一人の模試の成績表を見ながら助言し、進路指導もする。3年の伊藤妃香(ひめか)さん(15)は「問題を解きながら、分からないところがすぐに聞ける」と笑みを見せる。

 2年までは週に2回、受験を控える3年は週5回、全校生徒の5人全員が指導を受ける。県内を中心に62か所で塾を展開する「ベスト学院」(本部・郡山市)が村と契約し、講師を派遣している。

 全村避難となり、三春町で2年後に授業を再開すると、葛尾中の生徒は震災前の6分の1となる5人に減っていた。大半の生徒が休校中に避難先の学校を選んだためだった。

 学力向上に力を入れることで生徒を集める。2013年に始まった塾は、村の帰還支援策の一つだった。葛尾中が18年度から村内で再開すると、塾も一緒に移った。

 受験のノウハウや他校の生徒の傾向などを教えられることが塾の強みだが、学校とはおのずから役割が異なる。今でこそ学校と塾が授業の進捗(しんちょく)や生徒の体調などを日誌で共有しているが、当初は互いに手探りだった。当時教頭だった佐藤武校長(58)は「どこまで子どもの情報を塾側と共有すべきか、苦悩する職員もいた」と振り返る。

 授業料や参考書代は村が毎年約500万円の予算を投じて肩代わりしている。村内には他に学習塾がなく、教育委員会には「学力が上がった」「おかげで志望校に行けた」と感謝の声が保護者らから届く。

 ただ、生徒数は苦戦が続いている。震災後のピークは17年の15人。その後も11人、8人、5人と減少の一途をたどる。

 村営塾が生徒数を劇的に増加させることは難しいのかもしれない。それでも村は「進学の選択肢を狭めないようにしたい」と、新年度も塾を継続する。佐藤校長は「人数が減ったとしても、学校と塾の双方が一人の生徒のことを一緒に考え、逆境に負けない力を身につけさせる姿勢に変わりはない」と話している。(成海航太)

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1837219 0 いまここから 2021/01/30 15:00:00 2021/01/30 15:00:00 2021/01/30 15:00:00

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