「カード窃盗」詐欺急増 被害額倍増 警察かたり電話後訪問

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 昨年、県内で発生した特殊詐欺で、犯人が電話をかけた後に被害者宅を訪ねてキャッシュカードをだまし取ったり、すり替えて盗んだりする手口での被害が急増したことが県警のまとめで分かった。特殊詐欺全体の被害総額は1億7496万円(前年比1・5%減)とやや減ったが、この手口での被害は3063万円から6714万円と倍増。県警は「人ごとだと思わず、誰もが詐欺に遭う可能性があると認識してほしい」と呼びかけている。(石沢達洋)

■特殊詐欺被害の半数

 県警によると、被害104件のちょうど半数の52件が、自宅を訪問してきた犯人にカードを渡してだまし取られたり(手交型)、盗まれたり(すり替え型)してATMから現金を引き出される被害だった。警察官をかたって「口座が詐欺に遭っている。口座を止めるためキャッシュカードを取りに行く」などの不審電話は、前年の約2・5倍の978件確認されている。

 この手口の特徴は、電話の後に訪問してくる「受け子」と呼ばれる詐欺グループのメンバーが、言葉巧みにカードを持ってこさせ、暗証番号も聞き出す点だ。安全かつ厳重に取り扱う雰囲気を醸し出すため、カードを封筒に入れさせ、さらに封印用の印鑑を室内に取りに行かせて被害者が目を離した隙に別の封筒にすり替えるパターンが多い。

 刑法上は、窃盗犯になるが、詐欺グループの悪質な手口として、特殊詐欺の統計に昨年被害分から計上するようになった。被害者が電話をしている最中から「受け子」が訪問し、周囲に相談する機会を与えないケースもあったという。

 今年も同様の被害が既に発生しており、郡山市と本宮市では8~9日、ともに80歳代女性宅に「還付金がある」と電話があり、その後訪れた男に封筒のすり替えでカードを盗まれ、計約140万円引き出された。

■留守電で防止

 被害の76%(79件)は、65歳以上の高齢者がいる世帯で起きた。県警は昨年9月から、狙われやすい高齢者の独居と夫婦のみで暮らす計約16万世帯を戸別訪問し、留守番電話の設定を促している。留守電は、犯人の話を客観的に聞けるため詐欺に気付きやすく、犯人も証拠が残る録音を嫌い、未然防止につながる。

 また、犯人が被害者宅を訪れる手口は、被害者が現金を引き出して振り込む従来の詐欺と違い、金融機関も異変に気付きにくい。昨年は、行員らの声かけによる未然防止の金額が2340万円と、前年の1億3786万円から大幅に減った。

■末端は切り捨て

 捜査は難航している。県警は昨年、13人67件の特殊詐欺を摘発したが、多くは被害者宅を訪ねたり現金を引き出したりする「受け子」や「出し子」といった詐欺グループの末端だった。指示役など組織中枢への「突き上げ捜査」で全容解明を目指しているが、末端は切り捨てられる「トカゲのしっぽ」。指示役の顔も名前も知らずに犯行に及んでおり、組織上層部に捜査の手が届くことはまれだ。県警は「今年は何とか組織の中枢まで壊滅させ、被害拡大を防ぎたい」としている。

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1000517 0 ニュース 2020/01/15 05:00:00 2020/01/15 05:00:00 2020/01/15 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200114-OYTNI50034-T.jpg?type=thumbnail

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