処理水保管継続反対

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

処理水の問題について語る双葉町の伊沢町長(右)と大熊町の吉田町長(11日、いわき市で)
処理水の問題について語る双葉町の伊沢町長(右)と大熊町の吉田町長(11日、いわき市で)
処理水のタンクが敷地いっぱいに広がる東京電力福島第一原発。手前が大熊町で、奥が双葉町(今年2月21日、本社機から撮影)
処理水のタンクが敷地いっぱいに広がる東京電力福島第一原発。手前が大熊町で、奥が双葉町(今年2月21日、本社機から撮影)

大熊、双葉町長 「処分方法国は判断を」

 「処理水の保管継続は振り出しに戻ること。何の解決にもならない」――。東京電力福島第一原発が立地する大熊町の吉田淳町長と双葉町の伊沢史朗町長が読売新聞のインタビュー取材に応じ、汚染水を浄化して原発敷地内のタンクにためている「処理水」の保管継続を求める動きに明確な反対姿勢を示した。その上で国には、処分方法の決定を急ぐよう求めている。

 廃炉作業に伴う汚染水は、1日約180トン発生。東電は浄化装置で放射性物質を取り除いて処理水にしているが、水素と化学的性質がほぼ同じトリチウムは取り除けず、敷地内のタンクで保管してきた。ただ、建設用地には限りがあり、2022年夏には限界を迎えると試算されている。

 処分方法を巡っては、国の有識者会議が今年2月、「海洋放出」と「大気放出」の2案を提言し、報告書に「海洋放出がより確実」と明記。こうした処分が実行される場合、準備の時間も見込むと今年夏~秋が判断のリミットとなる。

 経済産業省は、処分方法について、県内外で関係者から意見聴取を行うなどしているが、風評被害を懸念する漁業団体などが海洋放出に反対。県内の市町村議会でも、海洋・大気放出反対やタンク保管継続を求める意見書が相次いで可決され、国が判断を示さない状態が続いている。

◆新たな風評に

 取材を行った今月11日、町長2人は、長期保管を求める声が高まっていることに焦燥感を募らせた。

 伊沢町長は「処理水をため続けることが問題解決になるのか考えてもらいたい。海洋放出が駄目ならば対案を示すべきだ。問題の先送りは決して良い解決策にはならない」と強調。吉田町長は「処理水の処分は、30~40年かかる廃炉のための、出だしの一歩だ。処理水問題が前に進まないと、全てがつながらなくなると理解してほしい」と訴えた。

 長期保管が町の復興に与える影響については、伊沢町長は「『危険なものだからそこに置いている』という新たな風評につながる」と主張。吉田町長は「また大地震があった場合、タンクがひっくり返って流れ出す被害も心配。住民帰還の足かせになる」と話した。

◆復興の妨げに

 また、2町にまたがって整備された中間貯蔵施設内にタンクを新設、保管する案に対しても両町長は強く反発した。施設は「汚染土を県外に搬出する前に30年間保管する」との前提で整備されており、伊沢町長は「用途変更はあり得ない。復興のために土地を提供してくれた町民への裏切りだ」と語り、吉田町長は「地上権を持つ住民はいずれ戻るつもりでいる。そこにタンクが立っていることは許されない」と語った。

 処理水の扱いや処分方法については、2人は「我々が判断するべき問題ではない」とした上で、吉田町長は「トリチウムを含んだ水は世界中の原子力施設から排水されている。福島第一原発から出る処理水との差は何なのか、漁業にどう影響を与えるのか、与えないのかを理解してもらうことが重要だ」と指摘。伊沢町長は「海洋放出について何が風評で何が問題なのか具体的にわかってきている。問題をクリアできる判断を国が責任と覚悟を持って行うべきだ」と語った。さらに両町長はそろって「県も方向性を示してほしい」と注文をつけた。

無断転載・複製を禁じます
1411705 0 ニュース 2020/08/15 05:00:00 2020/08/15 05:00:00 2020/08/15 05:00:00 双葉町の伊沢町長(右)と大熊町の吉田町長(8月11日午後4時22分、いわき市で)=鞍馬進之介撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200815-OYTNI50005-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ