25年越し伊達市本腰 イオンモール出店 地区計画年内策定へ きょう公聴会

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 イオンモール(千葉市)が25年前から伊達市堂ノ内地区で構想する大型商業施設建設計画について、同市が実現に向けて本腰を入れている。造成工事に必要な地区計画の年内策定を目指し、市は24日、住民から意見を聞く公聴会を開く。市や地元は誘致に前向きだが、郊外型大型店に対する開発規制で計画が進まなかった長年の経緯があり、先行きに注目が集まっている。(小沼聖実)

■二つの開発規制

 建設を進める上でクリアすべき規制は主に二つ。一つは都市計画法による開発制限だ。県の都市計画では、堂ノ内地区は大規模開発を抑制する「市街化調整区域」。建設には「市街化区域」への区分変更が必要だが、県は大型店の郊外進出に慎重な姿勢で、見直しを見送ってきた。

 もう一つは、大型商業施設の立地調整を目指す県商業まちづくり推進条例だ。無秩序な開発を抑制しようと、新規出店に届け出などを求め、県が事業者に意見を述べたり、勧告したりできる。開発を完全に止める強制力はないが、条例に基づく基本方針は調整区域への立地について「厳に抑制」との立場をとる。

■地区計画制度を活用

 こうした規制を踏まえ、市は地区計画制度の活用を決めた。地区計画があるエリアは調整区域内でも計画に沿った開発行為が認められており、須田博行市長は市議会6月定例会で、年内に地区計画をまとめる方針を表明した。

 さらに市は今月、計画地を含む同地区の約20・5ヘクタールについて、土地の利用方針や建ぺい率の限度などを定めた地区計画の素案を公表。公聴会で市民から意見を聞き、県との調整や市の審議会などを経て年内の策定を目指す。計画がまとまれば、地権者らの土地区画整理組合が、建設を目指した造成工事に着手できる。

 ただ、県条例をクリアするには、最終的には市街化区域編入が必要な上、市が条例に沿ったまちづくりの基本構想を定めていることなど、他にも要件を満たす必要がある。

■地元は高い期待

 計画地はJR伊達駅近くの国道4号沿い。東北中央道伊達桑折インターチェンジに隣接し、県北や浜通り北部だけでなく、宮城、山形両県南部も商圏となる。

 開業すれば、約3000人の雇用を生み、買い物客など交流人口は年間約1500万人が見込まれる。同組合設立準備会の直江市治会長は「25年間働きかけを続け、やっと先が見えてきた。震災後、県外流出が著しい県北の消費を取り戻せる」と期待を寄せる。

■周辺との調整がカギ

 一方、周辺自治体からは、買い物客流出による市街地空洞化を懸念する声も上がる。福島市の木幡浩市長は6月の定例記者会見で「(商業施設の規模が)大きすぎたり、機能が競合したりすれば、福島市中心部の街づくりが成り立たない」と指摘。テナントが入る総賃貸面積が約7万平方メートルと見込まれることから、イオン側には「イオンモールいわき小名浜」(いわき市)と同程度の5万平方メートルに収めるよう要望している。

 県の担当者は「周辺自治体の意向も踏まえ、県として適切に意見を伝えていく」としている。

地区計画 都市計画法に基づき、地域に適したまちづくりのルールを住民主体で定めたもの。一定のまとまりを持った「地区」を対象に、土地の用途や建物の高さ、建ぺい率などの規制を実態に即して強化、緩和することができる。

伊達市堂ノ内地区でのイオンモ ール建設計画を巡る動き

1995年 イオン興産(現イオンモール)が伊達町(現伊達市)に出店を打診

2006年 店舗面積6000平方メートル以上の商業施設の郊外出店を抑制する「県商業まちづくり推進条例」施行

 14年 県の都市計画の定期見直しで、堂ノ内地区は「市街化区域」にならず

 16年 地権者らによる土地区画整理組合の設立準備会が発足。福島市長(当時)が建設反対を表明

 19年 同条例の抑制対象を店舗面積を8000平方メートル以上に引き上げ

 20年 伊達市長が堂ノ内地区の地区計画を年内に策定すると表明

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1496942 0 ニュース 2020/09/24 05:00:00 2020/09/24 05:00:00 2020/09/24 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200923-OYTNI50019-T.jpg?type=thumbnail

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