田村産ホップでビール 元東北電社員 都路に醸造所 

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8月に完成した醸造所で新作ビールを紹介する本間さん(11日、田村市都路町岩井沢で)
8月に完成した醸造所で新作ビールを紹介する本間さん(11日、田村市都路町岩井沢で)

 

7種類完成 来月から販売

 原発事故で避難指示が出た田村市都路町で、市産ホップを使ったクラフトビールの販売が10月から始まる。東北電力の元社員の男性が「都路で意外性のあるものを」と一念発起してビール造りの環境を整備。今月から醸造が始まり、香りや味わいが異なる7種類が完成した。今後も事業を拡大し、醸造所を拠点に地域のにぎわいづくりを目指す。(井上大輔)

 醸造所を経営する「ホップジャパン」社長の本間誠さん(54)がクラフトビールに関心を持ったのは、東北電力の社員だった2008年から2年間休職し、米シアトルに滞在したことがきっかけ。友人とハイキングに行って近くの醸造所でクラフトビールを飲み、豊かな香りと深みのある味わいに心を打たれた。地域ごとに少しずつ味が違うことにも魅力を感じた。帰国後に復職してまもなく原発事故が発生。長年所属した広報部で「原発安全神話」を語っていた仕事に疑念を持ち、退社した。

 「好きなもので新しいことをして社会に貢献したい」と15年に会社を設立し、出身地の山形県でホップ栽培を始めた。その後、活動に興味を持った福島県の銀行の投資ファンドや田村市の誘いを受けて18年に拠点を移転。標高の高い阿武隈山地の山あいの冷涼な気候はホップ栽培に適しており、地元の3農家と協力して栽培を本格化させた。

 醸造所の建設場所として市から薦められた都路町では「こんな田舎に誰がビールを飲みにくるんだ」という声もあった。それでも「意外性があって大化けする可能性がある」と、譲り受けた市の施設を復興庁の補助金で改修。設備導入も進め、今年8月に醸造所が完成した。

 醸造免許の交付を受け、今月18日から醸造がスタート。ビールは苦みの強いものから女性好みのフルーティーな口当たりのものもあり、1週間違う味を楽しむことができる。醸造所のほかネット販売も検討している。

 本間さんは循環型社会の実現を目標に掲げる。今後は醸造の過程で出る麦芽かすや地域の食べ残しなどを再利用した畑作や畜産に挑戦し、地場産品のレストランを開く未来像も描く。

 都路の住民からは差し入れをもらい、応援の言葉もかけてもらっている。「頂いた恩を返すことで、感謝の気持ちも『循環』させたい」と本間さんは話している。

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1503527 0 ニュース 2020/09/27 05:00:00 2020/09/27 05:00:00 2020/09/27 05:00:00 8月に完成した醸造所で新作ビールの構想を語る本間社長(11日午後5時19分、田村市都路町岩井沢のグリーンパーク都路で)=井上大輔撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200926-OYTNI50021-T.jpg?type=thumbnail

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