被災リンゴで芽生えた絆 須賀川に共同農園

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

広場でお茶会を楽しむ小松さん(中央奥)ら。奥が共同農園(1日、須賀川市で)
広場でお茶会を楽しむ小松さん(中央奥)ら。奥が共同農園(1日、須賀川市で)

台風19号1年 日頃の交流災害時に生きる

 昨年10月の台風19号で被害を受けた須賀川市浜尾の果樹農家、小松純子さん(50)が、自身のリンゴ畑の隣に共同農園を作った。被災後、サークル仲間やママ友たちに助けられ、「日頃の関係づくりが災害時に生きる」と痛感した。イベント広場も併設し、ここを地域の人と交流を深める場にしたい、と考えている。(井上大輔)

 秋晴れとなった今月1日、小松さんが所属する須賀川市内の食育サークルの主婦ら12人が広場に集まり、お茶会を開いた。テーブルには、共同農園で収穫したばかりの塩ゆでの枝豆。持ち寄った手づくりパンやジャム、果物も並ぶ。

 「残った豆はみそにしよう」「次は何を作ろうか」。話題は尽きない。参加した戸梶直子さん(46)は「初めての畑作りで、苦労も多かったが、その分仲良くなれた」と笑顔だった。

 台風19号によって浜尾地区は阿武隈川の堤防が決壊し、広範囲で浸水した。収穫直前だったリンゴが被害を受け、被害額は市内だけで1億2070万円。県内全体の65%に上った。

 小松さんの畑1・2ヘクタールも水につかり、出荷できたのは前年の3割程度。自宅は床上浸水し、ドライフルーツに加工するための乾燥機2台も壊れた。

 被害を聞いて泥をかき出すなどの復旧作業に駆けつけてくれたのは、サークル仲間やママ友、リンゴの収穫体験でつながった人たちだった。浸水を免れたリンゴを「ガンバりんご」と名付けて売り出そうと呼びかけると、近隣の農家5軒が賛同してくれた。

 今年3月、台風被害で引退した高齢の農家から0・3ヘクタールの畑を借り受けて更地にした。ここに共同農園を造り、農業に興味がある人を募って6月から畑作りを始めた。

 ニンジン、サツマイモ、水菜、春菊。野菜の栽培は不慣れで、虫が付いてうまく育たない品種もあったが、続けていると近所の人が声をかけてくれるようになった。詳しい人が育て方をたまに助言してくれる。「つながりの輪が少しずつ広がり始めている」と小松さんは手応えを感じている。

 利用者を増やし、交流の輪をさらに広げるのが当面の目標だ。畑で採れた野菜で食事会なども開きたいという。「再び災害が起きた時に助け合えるつながりを仲間や周りの農家と深めたい」と小松さんは話している。

無断転載・複製を禁じます
1536194 0 ニュース 2020/10/10 05:00:00 2020/10/10 05:00:00 2020/10/10 05:00:00 整備した広場でお茶会を楽しむ小松さん(中央奥)ら。奥は共同農園として活用されている(1日午前10時49分、須賀川市浜尾で)=井上大輔撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201010-OYTNI50004-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ