震災学ぶ修学旅行 伝承館見学や語り部と対話 相双地域に宿泊福岡から第1号

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伝承館に展示されている福島第一原発の模型の前で、事故の説明を聞く生徒たち(3日、双葉町で)
伝承館に展示されている福島第一原発の模型の前で、事故の説明を聞く生徒たち(3日、双葉町で)

 福岡県立福岡高校の生徒たちが3日、修学旅行で本県を訪れ、東日本大震災と原発事故からまもなく10年を迎える被災地の現状を学んだ。同校は、福島県が始めた震災の教訓を実際に見聞きして学ぶ「ホープツーリズム」として本県を旅行先の一つに選んだ。誘致した福島相双復興推進機構によると、相双地域で宿泊を伴う高校の修学旅行が実施されるのは震災前も含めて初めて。(阿部雄太)

 訪れたのは、同校の2年生約400人のうち1グループ目の約120人。生徒たちは宮城県沿岸部の津波被災地を回った後、2日夜にサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)に宿泊。3日は、9月に開館した東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)を訪れ、津波被害や避難指示が出された当時の様子を伝える資料を見て回った。

 一時全町避難した富岡町の町民らでつくる語り部グループ「富岡町3・11を語る会」代表の青木淑子さん(72)の話を聞く場面では、メモを取りながら真剣に耳を傾けていた。青木さんは「町を壊したのも、つくるのも人。皆さんが原発事故の話を聞いて、町づくりに関わりたいと思ってもらえればうれしい」と呼びかけた。

 東京電力の社員から福島第一原発の廃炉作業について説明を受けたほか、津波の被害を受け震災遺構に整備される浪江町の請戸小学校周辺などもバスに乗りながら見学した。男子生徒(17)は「原発事故のマイナス面だけでなく、事故前は原発が地域の活性化にもつながっていたと聞いて、自分の考えを改めないといけないと思った」と話した。

 同機構によると、来年1月にも長崎南山高校(長崎県)が相双地域での修学旅行を予定しており、「九州以外からも呼び込みを進めたい」としている。

 県は、浜通りの交流人口を増やすため、2016年度に「ホープツーリズム」を始めた。教育旅行だけでなく、企業の人材育成の場としても注目されるなど、ツアーの活用は広がり始めている。

 県観光交流課によると、16年度の受け入れは1件(35人)だったが、17年度に20件(597人)、18年度は50件(1052人)と増加。19年度は新型コロナウイルスの影響によるキャンセルもあり45件(948人)だったが、今年9月に伝承館が開館し、受け入れ態勢は着実に整っている。

 県は昨年度から、企業の研修としての誘致にも力を入れ始め、2月に初めて受け入れも行った。経団連も興味を示しているといい、県は「浜通りに持続的に人が訪れる仕組みとして、ホープツーリズムを広げていきたい」としている。

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1600021 0 ニュース 2020/11/04 05:00:00 2020/11/08 15:53:45 2020/11/08 15:53:45 福島第一原発の模型で事故の説明を聞く生徒たち(3日、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201104-OYTNI50001-T.jpg?type=thumbnail

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