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どぶろく・シードル地元産で 土湯温泉で酒造り挑戦 町づくり会社が醸造所

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シードル用のリンゴを機械で粉砕する従業員(11月21日、福島市土湯温泉町で)
シードル用のリンゴを機械で粉砕する従業員(11月21日、福島市土湯温泉町で)
加藤社長
加藤社長

土湯温泉(福島市)の町づくり会社「元気アップつちゆ」が温泉街に醸造所「おららのさかBAR醇醸蔵じゅんじょうぐら」を建設し、地元産農作物を使ったどぶろくとシードル(果実酒)の醸造を進めている。震災で疲弊した温泉街を再興するプロジェクトの一環で、今月20日から温泉街のカフェで販売を始める。地元出身の加藤勝一社長(72)は「新しいにぎわいの拠点にしたい」と意気込む。(成海航太)

 土湯温泉は1400年以上の歴史を誇る県内有数の温泉郷。原発事故当時は、16軒の旅館が営業していたが、風評の影響もあり、半年ほどで5軒が閉館するほど集客が落ち込んだ。

 「このままでは土湯温泉の街並みがなくなる」。長年、旅館経営や介護事業に携わってきた加藤社長は強い危機感を覚え、2012年10月、同社を設立。温泉の地熱を利用した発電事業や、発電の冷却水を利用したオニテナガエビ養殖などを手がけて土湯温泉をPRした。さらに「以前のにぎわいを取り戻すには、観光客を呼び込める新しい特産品も必要だ」と、温泉街での酒造りを思い立った。

 しかし、酒造免許交付のハードルは高く、参入するには国の構造改革特区の認定を受ける必要があった。そのため市の自治振興協議会で特区の必要性を訴えて協力を取り付け、18年に、国から「福島フルーツ盆地ぽんち酒特区」が認定された。

 その後、加藤社長は、どぶろくづくりの条件「自前でのコメ生産」をクリアするため農家資格を取得して水田を借りて、一からコメづくりを始めた。酒造りを学ぶため、従業員と喜多方市の酒蔵などで研修を重ね、10月、酒造免許の交付を受けた。

 醸造と販売を受け持つ酒造会社「ORARA」も設立し、先月21日からは仕込みを始めた。同日はORARAの従業員らが、シードル用に地元産リンゴの粉砕と圧搾、どぶろく用に酒米「夢の香」の蒸し上げなどを行った。「おららのどぶろく」「おららのシードル」と名付け、それぞれ年間3キロ・リットル、同2・6キロ・リットル仕込む。木造2階建て2棟の醸造所は、1階部分をガラス張りにし、観光客に製造工程を見てもらう。

 今年、温泉街は新型コロナウイルスで再び打撃を受けたが、「『土湯の復興なくして福島の復興なし』と信じて頑張ってきた」という加藤社長は、あくまで前向きだ。「震災から、ここまでやってこられたのだから今度も大丈夫。今後は復興した姿を県内外にアピールしたい」

◆福島フルーツ盆地ぽんち酒特区 自治体や民間事業者のアイデアに基づき、地域の特性に応じた規制の特例を導入する構造改革特区の一つ。酒造免許交付条件「最低製造数量基準(年間6キロ・リットル)」が緩和され、特区内では、米からつくるどぶろく(その他の醸造酒)やシードルなどの少量生産が可能になる。原料は市内で生産されたものに限り、米は自分でつくる必要がある。

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1680888 0 ニュース 2020/12/07 05:00:00 2020/12/07 05:00:00 2020/12/07 05:00:00 シードルを作る職員(21日午前10時34分、福島市土湯温泉町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201206-OYTNI50042-T.jpg?type=thumbnail

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