読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

新潟・福島豪雨10年 只見線復旧工事今も 来年中の全線再開目指す

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

当時ハウスがあった場所を見つめる新国さん(7月25日午後、只見町只見で)
当時ハウスがあった場所を見つめる新国さん(7月25日午後、只見町只見で)

 2011年7月の新潟・福島豪雨から10年が経過した。観測史上最大の猛烈な雨は会津地方に大きな被害をもたらし、JR只見線は復旧工事が続くなど今も影響が残る。農業が盛んな南会津地域では、農家が教訓を生かして特産の「南郷トマト」の規模拡大に取り組んでいる。

 会津若松市と新潟県魚沼市をつなぐJR只見線は、豪雨による只見川の増水で3か所の 橋梁きょうりょう が流失するなどの被害が出た。一部は12年10月に復旧したが、会津川口―只見駅間(約27・6キロ)は現在も不通となっており、JR東日本が代行バスなどを運行している。

 JR東は、18年6月から不通区間の工事を本格的に開始。現時点で第7只見川橋梁は鉄橋と線路の整備が終了し、第5、第6只見川橋梁は橋桁や線路の復旧工事が進められている。併せて老朽化した枕木や信号設備の交換も行われ、22年中の全線運転再開を目指している。

 只見線の不通区間については2017年、県が駅舎などを保有し、JR東が列車運行を担う「上下分離方式」の基本合意書を締結した。JR東は復旧後、駅や線路などの鉄道施設を県に無償譲渡。今年6月には、上下分離方式に移行するための鉄道事業許可を国土交通相に申請した。

トマト浸水励まされ奮起

 南会津地域では水田やビニールハウスに水や土砂が流入する被害が相次ぎ、原発事故の風評被害に追い打ちをかけた。

 南郷トマトを育てる只見町の 新国にっくに 真也さん(46)のビニールハウスは、豪雨で14棟が120センチほどまで浸水した。事前に対策をしていたが、予想をはるかに超える大雨で農機具も使えなくなった。1997年に栽培を始め「やっと安定した収穫量を得られるようになった頃だったのに」と振り返る。

 ショックは大きかったが、農家仲間から「頭の中に詰まった技術は流されていない」と励まされ奮起。水に浸ったトマトの茎だけ残すと、一部から新芽が出てきた。被害から約3か月後には立派なトマトが実った。

 新国さんは水害を受けたハウスを撤去、山側に新たに24棟を設けた。生産拡大を図るため、2018年にトマトや米、加工品を生産する会社も設立した。現在のトマトの収穫量は年間約56トンで、豪雨前に比べて20トン以上増えたという。

 天気予報で水害の可能性が少しでもあれば、農機具を高い場所に移動させたり、地区の担当者に知らせて水門を開けてもらったりしている。南郷トマト生産組合の副組合長として、新規就農者の畑の選定に立ち会い、アドバイスを送る。

 新国さんは「これからどのような水害が起こるかわからない。地域や周囲の人々を守るために何ができるのか常に考えている」と話した。

【新潟・福島豪雨】

 11年7月27日~30日にかけて会津地方では断続的に雨が降り、福島地方気象台によると、只見町只見の観測所での4日間の累計降水量は711・5ミリを記録した。県によると全半壊が2棟、床上浸水は167世帯、床下浸水は302世帯の被害が出た。公共土木施設では道路や橋など354か所が被害を受け、特に南会津地域では河川の氾濫で橋の流失が相次いだ。被害額は141億円に上り、15年12月に復旧を終えた。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2251850 0 ニュース 2021/08/01 05:00:00 2021/08/01 05:00:00 2021/08/01 05:00:00 「一緒に流されたいくらい辛かった」と、当時ハウスがあった場所で語る新国さん。(25日午後0時5分、只見町只見で)=丸山菜々子撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210731-OYTNI50067-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)