売り上げ連動7倍に高騰

笠松競馬借地料に苦慮

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馬場の整備が行われている笠松競馬場
馬場の整備が行われている笠松競馬場

 

 ◆ネット馬券で上昇

 

 名馬オグリキャップを生んだ笠松競馬(笠松町)を運営する県地方競馬組合(管理者=広江正明・笠松町長)が、借地料の高騰に頭を抱えている。インターネットによる馬券販売が急速に売り上げを伸ばした結果、売上額に応じて変動する借地料総額が、昨年度は6年前の7倍近い4億3000万円に跳ね上がった。同組合では、地権者に対し、借地料の上限を設定する契約の見直し作業を始めた。(宮崎亨)

 笠松競馬の敷地は、約30ヘクタールの約89%が借地で、約260人の地権者がいる。

 土地の明け渡しなどを求めた訴訟で、名古屋高裁での和解成立を受け、同組合は2009年に地権者約200人との間で「売り上げ1000万円の増減に対し、借地料単価を0・4%増減させる」との契約を結んだ。

 当時、売り上げは低迷していたが、日本中央競馬会(JRA)のネットで馬券が買えるシステムを導入した12年度以降に状況は一変。売り上げが右肩上がりとなり、12年度の106億円から昨年度は203億円まで急上昇した。これと連動して、11年度には坪1200円だった借地料も、昨年度は坪6382円に、支払総額は6300万円から4億3000万円まで膨らんだ。

 

 ◆「想定できず」

 

 売り上げの伸びに応じ、笠松競馬の単年度収支は、13年度から黒字に転換した。一方、ネット馬券が売り上げに占める割合は、12年度の36%から昨年度は72%まで拡大。ネット馬券は手数料が上乗せされるため、通常馬券より利益の伸びは鈍く、16年度から1年で2億円以上も増えた借地料が、利益を圧迫するまでになったという。

 組合事務局の担当者は「地権者と契約を結んだ時は、これほど急激に売り上げが伸びることは想定できず、上限の設定はできなかった」と話す。

 このため、組合では今年3月から地権者との交渉を開始。〈1〉借地料は年額坪5000円を上限とする〈2〉3年後をめどに借地料単価の協議をする――との見直し案を提示し、土地明け渡し訴訟の原告となった地権者48人のうち45人から了承を得たとして、先月の組合議会臨時会で見直しを可決した。

 

 ◆施設は老朽化

 

 今後は、同様の契約を結ぶ約150人の地権者と協議を進め、承諾を得ていく方針。地権者が応じない場合は民事調停を申し立てるとしている。

 1935年に開場した笠松競馬は、老朽化が目立ち、厩舎きゅうしゃなど大幅な整備が経営難で棚上げのまま。同組合の岩越誠事務局長は「経費を見直して競馬事業を安定させることで、レース賞金や騎手手当の適正化、組合を構成する県などへの利益配分の復活、施設整備などを進め、地域貢献を目指したい」と話している。

 

◇土地の明け渡しなどを求めた訴訟◇ 笠松競馬の売り上げが低迷し、借地料交渉が決裂したことを受け、地権者の一部が2006年6月、土地の明け渡しなどを求めて岐阜地裁に提訴。同地裁は08年5月、土地の明け渡しと賃料の支払いを命じた。2審の名古屋高裁で〈1〉1坪当たりの賃料は年1200円〈2〉11年度以降は馬券売り上げに応じて算定――などの和解案が示され、09年12月に和解が成立した。

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36342 0 ぎふ発 2018/08/11 05:00:00 2018/08/11 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180810-OYTAI50006-T.jpg?type=thumbnail

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