「次は甲子園」また努力 国際大会Vの「侍ジャパンU―15」捕手 二村颯馬君(15)
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創部30年を誇る中学硬式野球・ボーイズリーグの名門「岐阜東ボーイズ」の主将。強肩強打の捕手として知られ、1~3年生の約50人が在籍するチームをまとめてきた。
昨年11月、松山市で開かれた「U―15(15歳以下)アジアチャレンジマッチ2017」で、東海地域から唯一、日本代表の「侍ジャパンU―15」に選出された。台湾、豪州、松山市代表の4チームで争い優勝を果たした。
「全国のうまい選手が集まり、チーム内で競い合うことができた。国際大会も初めてで、微妙に変化するツーシームも目の当たりにした。今後の野球人生で学ぶことが多かった」と、謙虚に振り返る。
侍ジャパンに選出されたのは、同8月に開催された中学生の硬式野球日本一を決める「ジャイアンツカップ」がきっかけ。全国32チームが参加した大会で、本塁打を放ったり、正確な送球で走者を刺したりと、チームを3位に導く攻守にわたっての活躍で、3人いる侍ジャパンの捕手の1人に選出された。
1メートル77、80キロの恵まれた体格。優れた素質を生かして、実績を重ねてきたと思われがちだが、指導する矢口政人監督(50)は、「入団当初は太めで、センスは感じられなかった。こつこつ努力して、今がある」と評する。黙々と走り込んで体を絞り、誰よりも多くバットを振り込んで、眠っていた才能を開花させた。
捕手として、投手を引っ張る能力にもたけ、中学レベルでは監督に委ねられることも多い、バッテリー間のサインの組み立ても任せられている。県立岐阜商業高時代、主軸打者として2度の甲子園大会に出場した矢口監督をして、「順調に育てば、プロも夢じゃない」と言わしめる。
ただ、本人は現状に全く満足していない。春からは約20校のオファーの中から選んだ県外の野球名門校への進学が内定している。その学校を選んだ理由を「グラウンド、トレーニング施設、チームの寮など全てが充実していて、親元を離れて野球に打ち込める環境に魅力を感じたから」と話す。
その上で、「これまで内部での競争にさらされた経験がない。厳しい環境だからこそ、自分を高めることができる。甲子園という舞台で、侍ジャパンのメンバーたちとの再会を果たしたい」との夢を抱いている。(佐野泰彦)
関市立桜ヶ丘中3年。小学2年まで水泳をしていたが、3年のときに地元の少年野球チームに入った。当時からポジションは捕手。中学進学時、先輩から誘われたことがきっかけで、関市を拠点とする岐阜東ボーイズに入る。「投手と打者の間をはかり、試合全体を組み立てていくことが楽しい。特に得点圏に走者を背負い、ピンチをどう乗り切ろうかと考えているときは、やりがいを感じます」