一般社団法人「よりそいネットワークぎふ」代表理事 中川健史(たけし)さん 63

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中川健史さん。手にとっているのは仕事工房ポポロのニュースレター
中川健史さん。手にとっているのは仕事工房ポポロのニュースレター

◆子供の問題、多刀流で解決

 

 夏休み明け前後に集中する子どもの自殺を防ごうと、8月末から9月初頭に、自身の携帯電話番号を公表し、24時間相談に乗った。本業の塾経営の傍ら、成長した不登校児が仕事を学ぶNPO法人、社会とつながりを持てない人たちの作業所を運営する一般社団法人の運営と、何足ものわらじを履く。「興味か怒りか共感か。お金には換算できない何かがあり、問題を知った以上、放っておけないのです」と、走り続けている。

 結婚後、妻の出身地で学習塾を開業した。通ってくる子どもたちの中には、校内暴力や喫煙などの問題を起こす子も。相談に乗っているうちに、子どもたちの「心の問題」に取り組むようになった。やがて、校内暴力は少なくなり、今度は不登校やいじめ問題が増えてきた。

 「若かったこともあり、最初は一人で頑張っていた。でも、自己満足では解決につながらない」と1995年、不登校児が集まり、遊んだり勉強したりするフリースペースを開設。成長した不登校児のために、2007年には、焼き芋の販売や、広報紙作成の請け負いなどを通じて仕事を学ぶNPO法人「仕事工房ポポロ」も作り、社会に送り出してきた。

 2016年に設立した一般社団法人「よりそいネットワークぎふ」は、作業所「いっぽいっぽ」を運営。障害や引きこもりなど支援が必要な人たちに、物作りを通じて社会とのつながりを持ってもらう活動をしている。

 子どもの自殺防止相談では、県内のNPO法人などに呼びかけ、電話相談窓口を一斉に設けた。自身の携帯電話にかかった相手とは今も相談に乗り続けている。「子どもの命を救う網を広げていきたい」と情熱を傾けるが、「家庭内不和が絡んだり、いじめで心の傷を負ったりするケースもあり、『解決した』と言えるようなことは少ない」と振り返る。

 最近は、民生委員の会合や自治会などに呼ばれ、地元が抱える問題の相談に乗ることも多くなった。「子どもたちの引きこもり、貧困などの問題は、まちづくりに直結する。自治体や国が政策を打ち出しても、地域がそれを活用できる力を持たないと駄目」と説く。かつて相談に乗った非行少年が、水防団で活躍している事例もあり、「地域にとって子どもは大切」と実感している。

 あと2年で塾は閉め、地元の地域問題に取り組むことを考えている。「高齢化が進み、移動手段にも事欠く買い物難民が増えつつある。こういう問題の解決策も考えていきたい」

 興味を持った問題の解決に力を尽くす姿勢は、いつまでも変わることはない。(増実健一)

 

 <メモ>滋賀県出身。学習塾は知人の幼稚園長に勧められ、「塾に行ったことすらなかった」のに開業。半年程度で自然と生徒が集まったという。趣味は農業。「種をまいて芽が出るまで1週間。このような間合いが好き」と話す。義母と妻、娘との4人暮らし。

無断転載禁止
51950 0 ひゅーまん岐阜 2018/12/03 05:00:00 2018/12/03 05:00:00 中川健史さん。手にとっているのは仕事工房ポポロのニュースレター https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181202-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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